2010-12-28

北北西に進路を取れ

連日連夜の忘年会のせいで、冬枯れな感じで声枯れも酷く、中々アセトアルデヒドが体内から抜け切れていない感じで絶賛体調不良中。
今年一枚になったカレンダーの絵柄は、早々に細君のイベントの予定で埋め尽くされた。「年末年始に冬という季節を満喫するため北へ旅立とう」と言い出した時点で、精神的にもピークを迎えた感じだった。東北に住んでいるとはいえ、太平洋側は内陸のような雪は期待できない。雪は降るが積もることは一冬で片手に余裕で余るぐらい。
池上彰調で「きっと雪景色に精神的な浄化を期待しているのですよ」と理解した。

思い立ったが吉日、ちょうど先々週ぐらい。せっかくなら子供らを飛行機を乗せてあげたいと、色々と調べるもさすがに年末年始はいっぱいいっぱい。年明け二日から二泊三日で行きはよいよい帰りはキャンセル待ちな状態。正直あきらめかけていた矢先キャンセルが出たとの事。この時点でお父さんのにわかな期待は飛んでしまい、ダイアリーの作りたてカテゴリー「DMC-GF1」も消えた。

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とりあえず現時点で北海道行きは確定しているが、具体的にどこに行くかは聞いていない。

2010-12-25

靴下は眠れぬ夜を過ごす

靴下を無理やり履かされることで秋の訪れを感じていた頃。靴下を枕元に置いて期待に胸躍らせてることで真冬の訪れを感じていた頃。銀色した靴下を無理やり履かされた鶏もも肉が食卓に並んでクリスマスを実感した頃。
クリスマスには、鶏もも肉を食べないと気分が盛り上がらなかったりするのだが、最近は年齢的に肉を身体が受けつけなくなってきたせいで、今ひとつ気分的に盛り上がりに欠けている。

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この時期、細君は書き入れ時で稼ぎ時のため、家族が揃って過ごすクリスマスは25日過ぎになることが慣習となっている。
ただプレゼントだけは、24日の晩に子供らの寝息を確認したうえで枕元に置いている。翌25日が冬休み前で平日だった場合、学校に送り出すまでで一日分の体力を消費してしまうが、今年は冬休み突入したばかりの日曜なのが、なによりの救いだ。

そんなこんなクリスマス気分を盛り上げようと、今週観た中の恋愛群像劇の二本。
なぜこの二本がクリスマス気分を盛り上げるためなのか
  • アメリカのバレンタインデーは日本のクリスマスイヴな感じだから「バレンタインデー」

  • 「バレンタインデー」をより効果的なものとするための「そんな彼なら捨てちゃえば?」

    • 「そんな彼なら捨てちゃえば?」は、スカーレット・ヨハンソン が出ているのもかかわらず WOWOWで時間があわず中途半端だったのでこれを機会に

    • 豪華キャスト総出演の「バレンタインデー」でその中でも若干主役寄りなジェニファー・ガーナーの旦那さん(ベン・アフレック)が「そんな彼なら捨てちゃえば?」でジェニファー・アニストンの恋人役で出ていた繋がりで

  • 前日に「カティンの森」を観た精神的な反動も少なからず影響している

  • なにより、ときめいていた頃の気持ちを思い出したいから

  • 感想など書いたり消したりしているうちにまとまらなくなったので追々あらためて

Merry Christmas! I hope you're having wonderful holidays.

2010-12-23

裏切りの季節

今日の祝日は、年末の長期休暇に回収(まわ)されているので普通に働いております。
昨日は冬には珍しい台風並みの嵐に見舞われました。出来たばかりのかさぶたを容赦なく剥がしてしまうような勢いの風雨でした。
子供らの翌日は休日的なテンションに流されたか、冬の嵐に血湧き肉躍ってしまったせいか、目覚まし時計のセットを忘れて一時間ほど寝坊してしまいました。

リビングのカーテンを開けると、雨は夜更け過ぎに雪へと変わったんだと言う感じの風景でした。
車を暖気するため、歯ブラシ片手に出た玄関先で吹き込んだ雪にずるりと足を取られました。とりあえず玄関用の塵取を片手に雪を掻いて掬い上げて良く見れば、直径1mmぐらいのきれいな球状した結晶体。昨晩、酒のつまみにしたハタハタのぶりこを思い出しました。容赦なく、撒き散らされる融雪剤のその形状にも似ていました。

会社で頼んでいる仕出し弁当屋に、クリスマスプレゼントの意味でオードブルを頼み、フロア内の皆でプチ立食パーティーな感じで振舞いました。
先輩のカプセル怪獣(ミクラス)から、時期的に「クリスマスプレゼントだな」とうしゃしゃと笑って本を頂きました。とても嬉しかったので、オードブルの入った容器からプチトマトを5つレタスに包んでお返しにあげました。
会社帰りは、クリスマスプレゼントの取り置きをお願いしているおもちゃ屋さんのはしごをしなきゃならないし、レンタル店にDVDを返却しなきゃならないし、昨日イベントだった細君の楽器と機材を下ろして、明日のイベントのための楽器を積まなきゃならないしと、慌しい師走を堪能して楽しみたいと思っています。

2010-12-22

真冬の台風

死に一番近い日

2010年12月22日。人類は一年で最も夜が長い日を迎えようとしていた。天空では約四世紀ぶりに月が赤く染まりかけていた──。

2010年初頭、オーロラの観測をしていたアラスカの気象学者が、偶然に地球の磁気圏の異常を発見する。時を同じくして、マヤ文明を研究するアメリカの考古学者は、マヤの長期暦で 2012年の冬至付近での終末論に関することが記述された石碑を発見する。石碑を調査した結果、明らかとなっている終末論とは 2年のズレが生じており、実際の終末論は 2010年の冬至付近だったということを解明する。

世界各地では異常気象や地震が頻発し甚大な被害に見舞われていた。これは磁気圏異常が原因で発生する大規模な地殻変動の前触れであると、世界各国の研究者からなるプロジェクトチームが正式に発表する。大規模な地殻変動を阻止するチームが緊急で招集される。

地球が持つ磁場勢力を適切な状態にするため、柚子を主体とした人工プラズマシート(磁気の "融通(柚子)が利きますように" と作られたもの)を乗せたカボチャロケットは、冬の台風が迫り来る中、はたして無事に飛び立つことはできるか──。



── せっかく起きる時間を目覚まし時計が教えてくれたのだが、ナーバスな天候が闇を漆黒に変えていたので珍しく2度寝をしてしまった。浅い眠りの中で作りあげながら見た夢。少し前に流し観した「2012」の影響だと思う。
さて、今日は私にとってカボチャを克服しなければならない日だ。


トナカイではありませんが、クロネコが吉備だんごの香りと共にクリスマスプレゼントを運んでくれました。突然のことで、思わず前方飛躍受身をとってしまいたい衝動に駆られるぐらいに喜び勇んでおります。本当にありがとうございました *<|:-)

2010-12-21

衝動の果てに

ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
ストーリー 
200万ドルを奪った男、彼を追う最凶の殺し屋、事件の謎に迫る保安官──息づまる戦いの果てに、男たちの運命は予測もしない結末を迎える!荒野で狩りをしていたベトナム帰還兵のモスは、偶然ギャングたちの死体と麻薬絡みの大金200万ドルを発見。その金を奪ったモスは逃走するが、ギャングに雇われた殺し屋シガーは、邪魔者を次々と殺しながら執拗に彼の行方を追う。事件の発覚後、保安官のベルは二人の行方を探るが、彼らの運命は予測もしない衝撃の結末を迎える…。

冒頭からの緊迫した雰囲気をラストで躊躇することなくぶった切って魅せるコーエン兄弟のアカデミー賞受賞作品。正直1回観ても後半からラストの展開は理解できないし、だからと言って複数回観ればすべてを理解できるわけでもないから、このままラストの余韻に浸っていたほうが良いと思って原作本を読むのもやめた。
原題「No country for the men (老人が住む居場所はない)」が示す "1980年代現在(いま)のアメリカ" をテーマにした作品。
西で金が動く下では、麻薬の取引が行われるし、銃撃戦に発展してしまうし、偶然金を拾ってしまうし、捨てきれない善意ある行動で事件に巻き込まれてしまうし、冷血な殺し屋に追われるハメになるし、マニュアル(行動規範)が優先する社会ではさまざまな業務は遂行されるし、ベトナム戦争帰還兵は崇拝されるし、交通事故も発生し、善意もすべて金で解決されるアメリカの日常。
要所要所でエド・トム・ベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は、ちょうどサントリーボスのCMのように "この惑星の住人は・・・" な感じで、昔はまだ救いようがあったが今は救いようがないアメリカの語り部となっている。
全編BGMをほとんど排除し、緊迫した雰囲気をより一層高めたものにしている。冷酷非道な殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)が、殺人に使用する屠畜用エアガンから放たれる圧縮空気の独自の音や、金を持ち逃げして追われる身となったモス(ジョシュ・ブローリン)が、身を隠すモーテルで壁に耳をあてて隣部屋の音を確認するシーン、換気用ダクトの中を移動する大金入りバックがステンレスとこすれる音、夜中のエアガンとショットガンによる銃撃戦の音、住宅地で車を運転していて突然の交通事故のシーンなど、あえて音を意識させてより効果的なものとしているところはさすがだ。
緊張の先を強烈な存在感で歩き回り、緊張を張り詰めたものにしているのが殺し屋シガー。おかっぱ頭で屠畜用エアガンと圧縮ボンベを下げ、どんなことがあろうとも眉ひとつ動かさない存在感は圧巻の一言。
このイメージが強すぎて、ハビエル・バルデムの次回作を帝都物語の加藤保憲役を演じた嶋田久作なみに心配したが、この前スカーレット・ヨハンソン目当てで観た作品で、それは要らぬ心配だったと安心した。
ストーリー 
ヴィッキーとクリスティーナは親友同士。ヴィッキーは慎重派で、堅実な彼と婚約中。一方のクリスティーナは恋愛体質な情熱家。2人はアメリカを離れ、ひと夏をバルセロナで過ごすことに。ある日、2人はセクシーな画家、フアン・アントニオと出会う。クリスティーナが一目で恋に落ちる一方で、ヴィッキーも少しずつ、戸惑いながらも彼に惹かれていく―。ヴィッキーの悩みとは裏腹に、順調につき合いだしたクリスティーナとフアン・アントニオ。そこにフアン・アントニオの元妻、美しく、激しいマリア・エレーナまで現れて…。惹かれあう4人の関係は予想不可能な怒涛の展開へ。

性格が異なる二人のアメリカ人女性が、常識よりも感情を優先してスペインでひと夏のアバンチュールを経験する話。
アバンチュールの相手となる画家ファン・アントニオを演じるのが、ハビエル・バルデム。ある意味、殺し屋シガーと同様に自身の行動規範に則って、女性に対して容赦なく(自身の)銃をぶっ放す役どころ。
クリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)とのベットシーンで発狂しそうになったが、ファンが粋な感じに60年代後期のアルファロメオ・スパイダー(1750)に乗っていたので良しとした。
ファンの元妻マリア・エレーナを演じるのはペネロペ・クルス(この時点でハビエル・バルデムとペネロペ・クルスは恋人同士。2010年結婚)。個人的にペネロペ・クルスは「オープン・ユア・アイズ」のソフィア役のイメージが強いので、本作の直情的で情緒不安定な演技は素晴らしいと思った。
ウディ・アレン監督でスカーレット・ヨハンソン主演ぐらいの前情報だったが、ハビエル・バンデムの役どころを見て、「ノーカントリー」をあらためて観直すキッカケとなった作品。
そして昨夜寝落ちしてしまったバンデム主演作品。

2010-12-20

夕暮れにネコが鳴く

ファンヒーターが届ける冬の匂いを鼻腔に感じながら、すこし前までずいぶんやんちゃだった西日のすっかり丸くなった日差しに体を預ける。頭にあてがうものを探すが、そこには脱いだばかりの靴下しか見あたらない。しかたなく左腕を折り曲げて頭の後ろに添える。活字を目で追いかけ始めるが、数分もたたぬ間に断片化した記録媒体の最適化のため、瞼は半ば強制的に落とされた。

色が抜け落ちた空の下、白黒ボールが転げまわるグラウンドは寒々した風景を強調させていた。技術力のかけらもない同級生が、向かってきたボールに反応して力に任せて運動量を加える。ボールはネットを揺らすことなく、ゴール後方で昼の月になった。ゴール近くにつめていた私は自然と転がるボールを追いかける。ボールは転々と転がってグランド隅の砂山で息絶えた。ボールを持ち上げて逸る顔が並ぶ先に背を向ける。当時流行っていた、ボールと友達の主人公が得意技としていたオーバーヘッドキックでボールを返す。ボールは乾いた空にきれいな放物線を描いてグラウンドに戻っていく。それを落下しながら見ている。左肩が下を向いていた。
次の瞬間、──── ぐしゃり、ばりばりばり。今でも耳が覚えている肉体の一部分が壊れる音。

薄暗い中で見慣れた天井が徐々に見え始める。頭上で絞り出すように野太い鳴き声で老猫が夕飯を急かしている。角膜に乗せているモノが乾いて焦点が定まらぬ状態で、そこに掛けてあるであろう先の時計を見やる。針が4時半ぐらいを指している感じは理解できた。この時期にありがちな朝方なのか夕方なのか混乱することは珍しく無かった。
記憶装置の最適化は不十分で、期待するほどのファイルアクセスの向上を感じることなく上半身を起こした。
薄暗い居間のソファーの上。右足に夕飯を悲願して見上げる老猫。

刹那。右端の視界に接近する指が数本見えた。

咄嗟に頭を下げて避けるが手は見えたままだ。意を決して立ち上がり、手の主を探すように身体をねじって時計回りで一回転するも、手の主はわからず手も離れることはない。
時計回りで自転を繰り返しながら、居間をうろつき、半ばパニック状態で助けを求め出た玄関先。姿見鏡の中で自身と目が合う。必死の形相が貼りついた顔の影で窮屈そうに90度に折り曲げられた左腕が後頭部にあった。左腕全体の感覚が無いことにやっと気づく。背中を嫌な汗が冷静につたい、足元で老猫がニャーゴと鳴く現実。必死の思いで後頭部から左腕を引き剥がし、徐々に左腕の痺れが抜けていく感覚を、頬を赤らめてこみあげる笑顔で受け入れた日曜の夕暮れ。

2010-12-19

Worship the ground somebody walks on.

腹の調子が悪くて、便所の個室ドアに手をかけたタイミングで便所を開けたウィンダム。目が合った瞬間、「あっ!そうだ!そうだ!○○○さん!「ソルト」見ますよね。ちょっと、ちょっとだけ待ってください!今、速攻で取ってきますから」と右手でパーを出しながら、踵を返して走り去っていった。さすがに個室に入ることも出来ず、オーラスで役満をテンパった状態で、歪なレモン色をしたトイレボールと見つめあってしまったのが、今月頭ぐらいのこと。
アンジェリーナ・ジョリーのファンを公言している私ですが、「Mr.&Mrs. スミス」でチキショーと意気消沈してしまいがち。せっかくなので「ソルト」を観る前にファンのきっかけになった作品を観ながら、アンジー作品の復習することに。
ストーリー 
科学捜査官のライムは、4年前に傷を負い手足の自由を奪われてしまう。ある日、パトロール警官のアメリアが無惨な変死体を発見。ライムは協力を求められ、動けない彼の代わりにアメリアが現場検分を行うことに。難解なメッセージを残し、次々と猟奇殺人を繰り返す犯人。そして明かされた驚愕の事実とは?!

ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム シリーズ」一作目が原作。原作が良すぎるがゆえに原作と比較するのはさすがに酷。よく定めた時間内におさめましたと考えたほうが精神的に楽。だってそもそも原作だとリンカーン・ライムは白人なんだもの、とかね。
ちなみに「リンカーン・ライム シリーズ」では、個人的に四作目の「石の猿」が好きだし、ジェフリー・ディーヴァー原作であれば「静寂の叫び」の映画化を個人的に希望。

何の前情報もなく、何の気なしにテレビを点けたら、ちょうど放映(やって)て、最後まで主演女優に見入ってしまったのがアンジーのファンになったきっかけ。「トゥームレイダー」以降、すっかりアクション女優という地位を確立してしまった感のあるアンジーだが、本作の演技は素晴らしいと思う。特にリンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)に心を開くシーン→ ライムになんとなく心惹かれていくシーン→ ラストのシーン、とナチュラルな表情、演技力に惹かれた。
折角だからと、続けて「すべては愛のために」「マイティ・ハート/愛と絆」「チェンジリング」のどれかを観ようかと考えるも、ちょっと重過ぎるので デンゼル・ワシントン→ 「トレーニング・デイ」→ イーサン・ホークの流れで選んだ、軽めの一本。
「24」のキーファー・サザーランド、「グロリア」の ジーナ・ローランズ、「ベティ・ブルー」のジャン=ユーグ・アングラード、「運命の女」のオリヴィエ・マルティネスなど、名立たる俳優陣をとても贅沢な使い方をしていて、全体的にすべてが中途半端でラストがなければ普通の作品。
いっそのこと、イーサン・ホークとオリヴィエ・マルティネスの役柄を交代したほうが、合ってたような気がしないでもない。すべてがもったいない感じ。
凄惨な殺人、惨殺体などのショッキングなシーンがあるが、わたしにとって、アンジーとイーサン・ホークの濃厚なベットシーンがなによりのショッキングシーンだった。
(前述の内容を含め)アンジーファンのためだけにあるような作品だとあらためて思った。



・・・と、まとめていて、アンジェリーナ・ジョリーを筆頭に、スカーレット・ヨハンソン、吉瀬美智子、北川景子と、私は "唇がぽってりした女性" に心惹かれるようだが、ただし叶恭子(叶姉妹)は除くということだけはハッキリした、土曜午後のまどろむ中での秘め事。

2010-12-18

仄かな月光に揺らぐ物欲

少し前にも書いたが、この時期、コンビニで手渡されるレシートのような要らぬ期待に胸躍らせて、モニターの前でマウスの形状が変わるほど、先の見えぬ大陸を迷子になりかけながら彷徨い歩いている。

当初は明るくて万能でほぼつけっ放しなレンズを探してて、2本に絞り込んでみたが、

レンズの価格のことやら、普段の持ち運びのことやら、最近の多彩な撮影モードがおもしろそうなことやら、やらやらと考えていたら いっそのことコンデジを買うかと、2機種に絞り込んでみたが、
このあたりの価格帯をあらためて考えると、次期モデルが発売されて価格が下がったことで十分に候補にあがってくる、レンズ+コンデジという感じの樋口可南子なミラーレス。最悪はレンズだけ残して本体をドナドナドナしてもいいとか、"在庫処分" とか、"展示品限り" とかという文字が並んでいるのを目にして、単に購買意欲を駆り立てられているのかもと思ったりとか、正直いまだにとかとかと悩んでいたりする。とか。

あとは10年ぶりぐらいに細君を口説き落とすことだけなのだが、それが一番の難題だったりすることは承知のうえ。

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しかしこうしてみると黒ばかりで、黒い持ち物が増えるばかりな予感。
(密かにカテゴリーに「DMC-GF1」を増やして自分で背中を押してみたりした)

寒空の行方

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2010-12-17

儚い青色

彼が二度愛したS [DVD]
ストーリー 
NYの孤独な会計士ジョナサン(ユアン・マクレガー)はある日弁護士のワイアット(ヒュー・ジャックマン)と出会い、NYエグゼクティブのためだけに存在する秘密の会員制セックス倶楽部を知る。ジョナサンは美しく優雅な女たちとの一夜限りの情事にハマっていく。そんなある日、以前地下鉄で一目惚れしたミステリアスな女性“S”(ミシェル・ウィリアムズ)が倶楽部の相手としてやってきて、本気の恋に落ちていく。しかし彼女は突然ホテルから姿を消し、ベッドには血痕が残っていた。それがワイアットが仕掛けた罠の始まりだった―

妖艶で誘惑的な雰囲気の予告に正直騙された作品。ウルヴァリン X-MAN(ヒュー・ジャックマン)が悪役だったので、最後まで意外性を期待していたが、今ひとつ盛り上がりに欠ける大掛かりな美人局な話。
「愛の嵐」で、ナチ帽を被り上半身裸に黒のサスペンダー姿で踊る姿が印象的だったシャーロット・ランプリング。ウォール街の美女という ちょい役での登場を目にして、思い出したようにあらためて観た作品。そしてじつはコチラが本命。
    ストーリー
夫と南仏の海へヴァカンスにやってきたマリー。だが彼女が浜辺で寝てる間に、夫が蒸発してしまう。ひとり残されたマリーは・・・。

25年間連添った夫(ジャン)を失ってしまったことを受け入れることが出来ず、妻(マリー)は精神の均等を保つようにジャンの "まぼろし" と生活を続けるが、色々な事実と直面し、最終的に目の前の死という現実を受け入れる。

1

4

ジャンへの想いを捨てきれないマリーを不憫に思い、友人が紹介した男(ヴァンサン)と情事にまでいたるが、ことの最中に「あなたは『軽すぎる』」といきなり笑い出しヴァンサンは狼狽してしまう。たしかにジャンは巨躯であるが、この『軽すぎる』は物理的なことを指しているわけではなく、映画のキャッチフレーズの『あなたは万物となってわたしに満ちる』が意味する『(満ちた)重さ』に対する『(満ちていない)軽さ』なのだと思った。ヴァンサンとの関係を不倫だと線引きするが、関係をハッキリしたいヴァンサンに「僕を何だと思っている、彼のことは忘れろ」と詰め寄られると、「あなたは『重み』がないの」と言い放って一方的に関係を終わらせてしまう。

3

偶然ジャンが鬱病で薬を服用していた事を知り、義母宅を訪ねると義母は息子が鬱状態だったことに気づいていたと告げられる。ジャンが鬱病であることに気づかない時点で夫婦関係はある意味破綻していて、マリーが思っている夫婦関係は "まぼろし" だったのではないかと思った。
さらに「ただ単に失踪しただけ。人生に飽きたのか、あなたに飽き飽きしたか、新しい人生に出発したのだ」と言われたことをきっかけに、マリーは警察署の死体安置所で現実を受け入れることを決意する。

溺死体は、義母とのDNA鑑定と歯型から90%の確立でジャンであると説明を受ける。死体安置所で溺死体を確認した後、遺品の腕時計を見せられるが "ジャンのしていた時計ではない、私が送ったものだから間違いない" と頑なに否定する。

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現場である海岸を訪れジャンの死を受け入れたかのように嗚咽。そして "まぼろし" のジャンを見かけて走り出すマリー。ジャンの死は鬱病による自殺と言う事実、ジャンがこの世に存在しない現実を真正面から受け入れ、行き場を失ったマリーの感情を表現した(と解釈した)ラスト。

ジャンが消息を絶ってしまった海岸の波が印象的だった。ちなみに夢診断では "「波」=情緒。感情。喜び。不安。性的欲望。憤り。衝動。時代の波。人生の波。" などを象徴するとのこと。

2000年の作品なので、撮影当時主演のシャーロット・ランプリングは56歳ということになる。年を重ねた皺のひとつひとつを取っても魅力的だし、ヴァンサンとのベットシーンでは、これみよがしにヌードを披露するあたりに脱帽。死体安置所でジャンの死体を確認するシーンで、目と頭皮の動きだけ(口はマスクをしている)で心情を表現した演技は凄いのひとこと。



この流れで日本男性版的なの観る予定。たぶん。

今度は愛妻家【通常版】[DVD]

2010-12-16

むしろ自ら後方に反り返るように倒れ込んでみたいシーズン

久方ぶりにウィリアム・ギブソンの「ニューロマンサー」から「モナリザ・オーヴァドライヴ 」まで読破しようと思い立ち、とりあえずSFモノのリハビリからはじめることにしました。と、積読状態だった「虐殺器官」を読み始めるきっかけにしたのですが、最近すっかり没頭(ハマ)ってしまい、時々、脳みそをスクイザー *1 に入れられてペダルで踏まれるような感じに陥るので、脳(あたま)休めのため、軽めの本に一時避難したりします。

特に題名になっている「お父さんのバックドロップ」は、プロレスに熱狂した世代、いや「1・2の三四郎」世代にはたまらない作品だと思います。
2004年に仮面ライダーオーズの鴻上ファウンデーションの会長(宇梶剛士)主演で映画化されてます。
ずいぶん前に観た記憶しかありませんが、よくぞ数十ページの短編を約一時間半に作り上げたと関心しました。ストーリー的にベタですが、とても良い作品だと思います。


中島らものプロレスに対して、並々ならぬ愛情を持った上での核心的な、原作のいちシーン。(以下一部抜粋)

~ファミレスで息子にプロレスで悪役をしている父を尊敬していないと言われる。父親が自分のプロレス(会社)での悪役(仕事)について説明する~

「(略)たとえばギャング映画を作るのにだな、出る役者みんながみんな、善玉の役をやりたいといいだしたら、どうなる?映画ができないだろう。お客さんが楽しんで見てくれるものにするためには、そういう、そんな役まわりをする人間が必要なんだ。」
(略)
「おまえのいっている小学校だって、そうだろう、花の世話する当番の子もいれば、便所掃除の当番にあたる子もいるじゃないのか。」
(略)
「世の中なんて、みんなそれぞれの役割でなりたつんだ。便所掃除をさぼって、花の当番ばかりしたがるやつがすきか?」
「みんな自分の役割をはたすために、つらい思いもするんだ。おれが毎日毎日バットで腹をなぐらせたり、砲丸を腹の上におとさせたりしてきたえているのはなんのためだと思う?」
「強くなるためでしょ?」
「すこしちがう。トレーニングをするのはな、<ケガをしない>ためだ。」
ーそれでも息子に尊敬できないと言われる。父はオリンピックにまで出たアマチュアレスリングの選手なのにコーチになるなどして、なぜ続けなかったかと問われて言葉に詰まってしまうー
「かわりにいってあげようか。ほんとのスポーツの世界には、ほんとの勝ち負けがあるからなんだ。」
「お父さんは、そのほんとうの勝ち負けのある世界に、ずっといるのがこわかったんだ。だから、みどり色の霧をふいていれば、どっちが強いかよくわからない世界に逃げたんだ。だから、尊敬できない。」
「カズオ・・・・・」

~閉口してしまう父。これをきっかけに(当時)世界最強といわれる空手家に異種格闘技選を挑むことを決意する~




*1:モップ絞り機。

2010-12-15

若き跳躍老いて躍動

ずいぶん若い頃、マクセルのカセットテープがラジカセのヘッドに巻き込んで途方にくれてしまうほど、聴き込んでいた音楽やバンドがいくつかあります。その中で今でも変わらず大好きなアーティスト。イイネ!

現クレイジーケンバンドの横山剣。
当時ボーカルを務めていたクールスRC(1983年脱退)の名曲中の名曲「シンデレラリバティ」。立ち位置は向かって左側ですが、庄司智春(品川庄司)にちょっと似てなくもないと思います。

 

濃厚すぎるふたり最高です。

 

矢沢永吉「チャイナタウン」を横山剣ヴァージョンで聴きたいと切に願ったりします。

 

そして今時期のお約束。

 

2010-12-14

仮想の設定のもとに世界を構築する作品群など

季節が大きく変わるこの時期は、雲梯(うんてい)のうえをそろりそろりと両手でバランスを取りながら、渡り歩くような精神状態になってしまうので、観る映画も当たり障りのない軽めのものを選んでしまいます。
夜な夜なDVDプレーヤーの前で、ビクトリア・シンドリー *1 みたいにDVDをシャッシャッとしながら選びますが、在庫は重いものばかり。

そんなこんなでレンタル店に足を運ぶことになります。せっかくなら子供らと観れるファンタジー系をと、レンタルしたものなど。

  • リドリー・スコット監督、この当時トップガンで一躍有名になったトム・クルーズ主演作品
  • 二十年ぐらい前に酔っ払って何度か観ては寝てしまった記憶しかないのでリベンジ
  • ジェニファー・コネリー(当時14歳)とデビッド・ボウイ主演の不朽の名作
  • 「フェノミナ」でジェニファー・コネリーの熱烈なファンになった友人が、本作品を観た後にジェニファー主演作品をさかのぼって「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を観て「オレはジェニファーに裏切られた!」と号泣したことをなんとなく思い出しました。元気かな
  • 前にWOWOWで中途半端に流し観してたらなんとなく面白かった作品
  • ちょっと調べたら「チャーリーとチョコレート工場」チャーリー・バケット役のフレディ・ハイモアが一人二役(双子役)をこなしていたんだとへぇー
  • 「ライラの冒険 黄金の羅針盤」をあえて選ばないところがミソ
  • これも前出作品と同じ理由ですぽっと抜いた作品
  • 三人兄弟の長女ヴァイオレット役のエミリー・ジェーン・ブラウニングがかわいいです
  • これも前出作品と同じ理由ですぽすぽっと抜いた作品
  • ダスティン・ホフマン、ナタリー・ポートマンの魅力的なタッグ
  • なんとなく今時期っぽいことが決め手

次点は「ジュマンジ 」「グーニーズ」と悩みました。


*1:漫画「ワンピース」のスリラーバーク編に出てくる皿嫌いのゾンビ。

2010-12-13

Crazy Cats &amp; Michael Jackson

ちょっと前まで会社の宴会での余興などを一手に引き受けてましたが、最近になって若手の台頭が著しいこともあってあえて表に出ないようにしていました。
そんな状況がちょっと面白くないらしい友人に、忘年会を前に「3曲目ね」と先週CDを渡されました。
J-POPとかいうカテゴリーにてんで疎いので、週末はYouTubeで知恵熱を出すほど勉強しようと誓いました。

・・・と、意気込んでみたものの10分ぐらいで飽きてしまったので、ぐるぐる徘徊していて見つけたものなど。

 

 

2010-12-12

困ったときの鳥頼み

三匹は潜んでいると思う。

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          \  はぐぐっ!!  / 
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          \  ばくっ!!  / 
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          \  どう?  / 
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2010-12-11

ハードボイルドなラブストーリー

(500)日のサマー [DVD]

    ストーリー
建築家を夢見つつ、グリーティングカード会社で働くトムは、ある日、秘書として入社してきたキュートなサマーに一目惚れしてしまう。トムは運命の恋を夢見る男の子、一方サマーは真実の愛なんて信じない女の子だった……。好きな音楽をきっかけに意気投合し、いいムードになった二人。そんな中トムは、サマーに対して「彼氏はいるの?」と聞くと、サマーの答えはノーだった。恋愛と友情の間に果てしなく広がるグレーゾーン。人を好きになるって、どうしてこんなに楽しくて切ないんだろう。誰もがまた恋したくなる、二人の(500)日がはじまる!

珍しく『恋愛・ラブストーリー』というジャンル作品を結構前になりますが観ました。しかし『男性・失恋モノ』というジャンルがあれば、当然そこに置かれるはずの作品です。

赤い糸の存在を信じている主人公トム(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)と、赤い糸などはなから存在しないとしているヒロインのサマー(ズーイー・デシャネル)の話で、トム(男性)の視点でストーリーは進行します。

デートを重ね、唇を重ね、ベットを共にしても、サマーは "友達" だときっちり線引きします。トムは悩みもがき苦しみます。しかし結末を見る限りでは、サマーは密かに運命的な恋を信じていたのかもしれないと思いました。
これ以上、感想を書いてしまうと自身の恋愛感をさらけ出してしまいそうなので、このぐらいにしておきます。

本作を観終わった後、ちょっと思い出したことがありました。20年ぐらい前に発行された北方謙三のエッセイ集「男はハードボイルド」の一説。
ハードボイルドとは何か。タフでカッコいい男の生き方。一般にはそういわれる。しかし、俺のハードボイルドはちょっと違う。負けの美学。全力を賭けた結果の男の敗北は、恥ではない。男の誇りだ。敗北の味をいやというほどかみしめろ。そうすることで、“男はこうあるべきだ” という美学の獲得ができる。
男はセンチメンタル。女は過去を洗い流せるが、男は決して過去を断ち切れない。恋に敗れ、泥まみれになっても相手の女を忘れない。未練を捨てきれない男は、まさに女々しい (センチメンタル)。
その女々しさを、いかに固い殻で包み込んで生きられるか。それが男の存在感だ。負けて負けて負け抜いて、それでも “俺は男だ” と立ち上がれ。過去を、未練を捨てきれなくてもふり向くな。それが男のルール、男のハードボイルドな生き方だ。
北方謙三の定義に基づくと「(500日)のサマー」は、立派な "ハードボイルド" 作品なのではないかと、無理やりな解釈をしました。
それと「(500日後)のサマー」という続編も是非観てみたいと思いました。

音楽も良い感じなのでサントラの購入を考えていたりします。



幾度目かの停学中に Smiths ばかり聴いてた頃を思い出しました。

2010-12-10

いたちごっこ

1209

"地球環境に配慮した企業・・・" などと表紙の一部に書かれた資料を、申し訳ないほどコピーした後、配布するためにまとめていたら、所々が赤く汚れていることに気づいた。
出所は右手中指の内側らしく、白い薄皮がひらひらしていて、その周辺はすでにばりばりした血がこびりついていた。口中で鉄さびの味を味わいながら、少し前の新聞記事を思い出した。
12月3日 読売新聞「編集手帳」 引用
【紙鼬】(かみいたち)とは何だろう。動物ではなくて、「紙を扱っているときに、刃物で切ったような鋭い切り傷がいつのまにかできる現象」を指す――といっても、辞書にある言葉ではない◆『明鏡国語辞典』を出版している大修館書店が国語辞典に載せたい言葉を全国の中高生から募った企画で、今年の最優秀作品に選ばれたうちの一つである◆作者は中学1年生というが、昔からある言葉「かまいたち」を踏まえたうえで、紙が生き物になってワルサをしたような、誰しも一度は味わったことがあるハッとする痛みの瞬間をうまく言い表している
あらためてうまいこと考えたもんだと感心しながら、ひらひらした薄皮を歯で剥ぎ取ったら、予想以上に痛くて、思わず鼻水が噴だしたことはここだけ話。

昔は "かまいたち" という妖怪より、『ガンバの冒険』のボスキャラ "ノロイ" というイタチの方が、トラウマになるぐらいに怖かったなと、絆創膏を貼ったところから、滲み出している血を見て舌打ちひとつ。

noroi