2011-02-28

Неделька 21-27

< 月曜日 >
  • ダブル・ジョパディとは二重処罰の禁止ということで、ある事件によって有罪を受けた場合、同じ事件での二度は有罪にならないということらしい。夫による夫自身の殺害の無罪の罪を受けた妻の夫に対する復讐と残した子供への母性愛の作品
  • 色々と突っ込みどころ満載だったがハッピーエンドなラストで涙した
  • アシュレイ・ジャッドが色々と綺麗。特に左眉の上がり具合とか
★★★☆☆

< 火曜日 >
  • 頭痛に悩まされ溶け出したコールタールのように寝た日

< 水曜日 >
  • ダブル・ジョパディのアシュレイ・ジャッドの印象が良かったので「ヒート」にしようか迷った挙句に勢いでトレイに載せた何度目かに観た作品
  • 目当てのアシュレイはほんのちょい役でしか出てこないが存在感抜群
  • ラストのクリスマスにまつわる話を話し終わった西岡徳馬顔したハーヴェイ・カイテルの笑顔がなんとも素晴らしい
  • 淡々とタバコの煙のように流れる時間と日常生活の中で単純に幸せの意味を考えさせられた作品
★★★★☆

< 木曜日 >
  • アシュレイ・ジャッド目当てでこれも何度目かに流し観な感じに
  • 後半のLA市街地のど真ん中での銃撃シーンのピリピリとした緊張感が心地いい。ダークナイトが参考にした作品ということを再認識したり
★★★☆☆

< 金曜日 >
  • 「パリ、テキサス」のヴィム・ヴェンダースが製作総指揮。刑事コロンボ(ピーター・フォーク)がいい感じ
  • 8人6組3日間雨が降り続くクリーブランドを舞台にした作品。全編BGMにジャズが流れる
  • 好みかどうかで評価が二分してしまいそうな作品
★★★☆☆

< 土曜日 >

  • ウィンダムが金曜日に「観ますか?」「どう?」「えぇ微妙でした」と会話しながら貸してくれた
  • 製作がマトリックスシリーズのウォシャウスキー兄弟で「V フォー・ヴェンデッタ」のジェイムズ・マクティーグ監督作品
  • 「28日後...」でヒロインを務めたナオミ・ハリスがヒロインを務めているがヒロインは必要かどうか
  • スプラッター的な描写はやりすぎでアクションは凄いのはわかるが半分ぐらいは暗闇の中で繰り広げられるので残念。実相寺昭雄が監督したシルバー仮面の一話目を思い出した
  • 主人公のRainは華は無いが綺麗に割れた腹筋は有りでショー・コスギも濃すぎで有り
★★☆☆☆
  • 赤いワインが身体に溶け出し気分はイーニドな日



< 日曜日 >
  • コーエン兄弟の処女作で同兄弟製作「ファーゴ」のフランシス・マクドーマンドのデビュー作(初々しくまだふてぶてしくない)。前にスカパーで何気に観てておもしろかったので思い出したように再鑑賞
  • 効果的な音と丁寧に作り込んだ映像は素晴らしいに尽きる
  • 「ファーゴ」や「ノーカントリー」に繋がってる感じに思えた
★★★★☆
  • 月に一度は何故だかクリストファー・ウォーケンを観たくなる(ちなみに直近先月はちょい役悪魔なウォーケン「ゴッド・アーミー/悪の天使」)
  • マフィア三兄弟(長男クリストファー・ウォーケン、次男クリス・ペン、三男ヴィンセント・ギャロ )の他、ベニチオ・デル・トロ 、イザベラ・ロッセリーニ 、アナベラ・シオラなど密かに豪華キャスト
  • なによりクリス・ペンはキレ具合はいいが、やはりウォーケンに尽きる作品
★★★★☆ 
   

2011-02-23

ちょうどその頃に似た陽気

時期やタイミングを見計らって、適度に降ってくれれば皆が喜んでくれる。おもちゃ屋の前で駄々をこねる子供みたいな降り方をするからいけない。遠くのほうで除雪車が走る音を耳にして、朝目覚めるとカーテンを開ける気にすらならない。そんな雪も最近は、日陰で最後の抵抗にアスファルトの隅を必死になって濡らしはじめた。

先週末はずいぶん春めいた日差しが、自律神経を刺激したので昼ごはんと、買い物ついでにと隣町までアクセルを踏み込んだ。左に張り替えたばかりの障子のような水面が広がり、紐が切れて散らかったビーズみたいにキラキラしている。

昼ごはんにと、海に近い国道沿いのドライブインの駐車場に乗り入れる。耳元をかすめる風は冷たいながら幾分やさしさを感じた。海の幸満載のラーメンに入った海老が栄養失調で不憫に感じた。ホタテが歯の隙間に入り込んで悪さした。

買い物した後、せっかくだからと近くの温泉施設に向かう。少し早い時間であったが結構込んでいた。露天風呂には太陽と同じにちょっと首を西に傾けた即身仏が並んでいた。

風呂の帰り道、細君のリクエストで隠れ家的な創作和菓子屋さんに寄ることにする。立地的にわかりづらいところにあるのだが相変わらず女性中心に混んでいたりした。

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窓を開ければそこは昭和な佇まい。

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抹茶はセルフでたてる。彼女が幼稚園でお茶を習っていたと鼻にかけながらたててくれた。泡はたつが茶柱がたつことはない。

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春らしいと思って撮ったが、よく見ると細君が写りこんでいた。

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──おわかりいただけただろうか。

2011-02-21

Неделька 14-20

< 月曜日 >

  • 「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」を観る前にジョー・カーナハン監督の復習そのいち。
  • バイオレンスな群像劇で個性派揃いの暗殺者達が良かった。
  • とくにR&Bシンガーのアリシア・キーズに尽きる。
  • 若き日のカーク船長(スタートレック)を演じたクリス・パインの切れっぷりも最高。
  • コミカルチックな前半だったが途端にシリアスなどんでん返しのラスト。
★★★☆☆

< 火曜日 >

  • 「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」を観る前にジョー・カーナハン監督の復習そのに。
  • 「スモーキン・エース」にもFBI捜査官役で出てるレイ・リオッタの演技が素晴らしい。
  • 映像と演出、素晴らしい演技、これまたどんでん返しのラスト。もっと評価されるべき秀作。
★★★★☆

< 水曜日 >

  • 「ソウ SAW」の監督作品。70年代の荒んだ雰囲気が漂う家族を殺害された父親が復讐する作品。
  • 父親を演じるケビン・ベーコンに尽きる。
  • ラストあたりで自身の頭をバリカンで坊主にするあたりのカットは「タクシードライバー」みたいでニヤリ。そして後頭部の刈り残し具合にもニヤリ。
  • 子供を持つ父親の目線で観るとちょっとキツい。
★★★☆☆

< 木曜日 >

  • ケビン・ベーコンがかっこよかったのであーそーいえばと発掘して観た作品。
  • 思いっきり開き直った感じのB級でSFな具合が傑作だとあらためて思った。
  • いろんな意味でわかりやすさがいい。
★★★☆☆

< 金曜日 >
  • ゾンビ、アクション、コメディー、恋愛、家族的な要素をすべて詰め込んだロードムービー。ラストは無理なくハッピーエンド。ゾンビ映画のラストで清々しい気分に。
  • 「ショーン・オブ・ザ・デッド」には及ばないが十分に楽しめた。
  • そしてビル・マーレイ本人役で出演!!
★★★★☆

< 土曜日 >
  • うちの兄弟のような関係だったのでよけいに感情移入してしまって何だか複雑な気分に。
  • 色々なことを腹に据えかねている長男役の香川照之のドロドロな演技が素晴らしい。
  • 警部補がピエール瀧、裁判官が田口トモロヲ、検察官が木村祐一ていうのもある意味豪華キャスト。
  • 見事な脚本、出演者達の見事な演技、すばらしい作品だった。音楽もいい。色々ゆれるゆれるゆれる秀作。
★★★★☆
< 日曜日 >
  • 村上春樹原作作品。原作を読んでからにしようかどうしようかと地団駄踏んで迷った末に。
  • DVDトレイに入れてヒィィィーンって音がしっぱなしで10分間立ちすくみ。さて今日にでもあらためて借り行こう。
  • 古本屋で中身をよく確認せずに「東京奇譚集」購入して読んでみたら「めくらやなぎと眠る女」にすべて収録してあってあーあって感じ。

2011-02-17

Bar キッチンシンク

週末、家族で買い物に出かけて酒瓶が並ぶ区画に差し掛かる。どちらからともなく「飲みますか」と目顔を送る。レジ袋を2つほど積んだショッピングカートの鼻先が向いた先が、その応え。

ここ最近、週末に細君とあらたまって飲むようになった。しかし翌日が休みであっても油断できない状況にある。
休日に限って、子供らは目覚まし時計を必要とせずに早朝から目を覚す。容赦なく寝室のテレビのスイッチを点ける。アニメと特撮番組の谷間で、猫と共に、汗水たらして練習したかのように腹が減ったと華麗なハーモニーを奏ではじめる。自ずと深酒したことを後悔したくなる。

子供らが確実に記憶の再構築をし始めるのは22時以降となる。最初のうちはリビングのソファーに身体を沈めてゆっくりと飲んでいた。
飲み始めると、酒やロックアイスや水などを、そのたびに台所まで取りに行かなければならなくなる。リビングから台所までは大した距離ではない。ちょっと無理すれば、チョキで勝って "ち・よ・こ・れ・い・と" で行けるぐらいの距離だ。しかし酒の力によって一気に、サンペドロ・デ・アタカマからサンチアゴに向かう距離ぐらいになる。過酷な道程を、より安全に進むための術として じゃんけんで負けたほうが台所に向かうこととするのだが、単純で明快な取り決め事に限って、体内にアルコールが吸収されると簡単に破られる。

限られた時間の中、余計なことで逆にストレスを溜めたくないので、自然と台所のシンクの前に椅子を二つ並べるようになった。換気扇のライトがいい雰囲気を醸し出す。あくまでも偏った見方をすればの話だ。

細君は除湿機みたいに大きくて、リンゴのマークが側面に描かれたコンピュータをあらたに購入したらしかった。私のiPod touchのWifiの接続先が、ある日突然に AirMac Express ベースステーションとやらに変わったことでそれを知った。このベースステーションとやらは、iPod touchからの出力を一手に引き受けてくれる男気のあるなんとも頼もしいヤツだ *1。おかげでオールナイトニッポンをBGMせずに済んでいる。

会話のほぼ8割方は子供らのこと。
キッチンシンクの上に並べたグラスの中で氷の角がアルコールに溶けて丸くなるような話が残りの2割。

キッチンのシンク(Sink:流し台)の上で、お互いのシンク(Think:思考)をシンク(Sync:同期)させる週末のひと時。ただ、ごく稀にキッチンシンク(Kitchen sink:プロレス技 *2)を食らうこともあるので注意が必要。


*1:ベースステーションにアンプ内臓のスピーカーを繋いである状態。

*2:相手のみぞおち目がけて自らの膝を突き刺す技である。ヒットさせる際自らの体が少し横に流れるところが格闘技の膝蹴りと違う。

2011-02-16

皮むきでさえ愛情を欠いてはどんな料理もマズくなる

近所の行きつけのレンタル店がずいぶんと思い切ったことをしてくれたので、先々週ぐらいまで半ば意地になって通いつめてました。対象期間中(約1ヶ月間ほど)旧作7泊8日1本10円でDVDレンタル出来るという専用のチケット(千円)が販売されたからです。

こう見えても *1、40数年間で鼻血を出したこと、点滴をぶら下げたこと、レンタル店で赤い手が描かれた黒い暖簾がぶら下がる向こう側に足を踏み入れたことがありません 。だからと言って、これを機会に男のロマンを探求することを考えることなく純粋?に映画DVDのレンタルを目的に購入しました。

期間中、1週間で15本ぐらいのペースでレンタルしまくりましたが、さすがに最終週あたりには観たい作品がなくなってしました。子供らのためにと「ワンピース」に手を伸ばしたわけですが、結果、すっかりたっぷりどっぷりハマってしまいました。
特に彼女と涙腺を開放しっぱなしで鑑賞したこの作品。
原作との相違点や声優の違いなど色々あるようですが、登場人物の一部しか知らない私にはどうでもよいことだったりしたので、素直に感動出来ました。
ただ、作画とキャラクターデザインが雑に感じました(一部映画のクレヨンしんちゃんっぽかったり)。作品が秀作だっただけに残念な点でした。


*1:どう見えるか知る術もあるわけがないのですが。

2011-02-15

閉めない扉は開いたまま

目の前には背丈ほど大きな両開きの引き戸がある。

スティール製の引き戸は、出来るだけ新品に見せるためにホワイトアイヴォリー色のペンキで、何層も丁寧に塗り上げられていた。鏡越しに覗き込んだ時の母親の作りかけの顔に似た感じだった。
扉が接している木の床面部分は、この時期に水仕事を酷使した指先のように、ひどくささくれて悲鳴を上げている状態だった。
赤褐色したくぼみに、何千、何万もの もみじの葉のような手がそうしたように、手をかけて右に押しやる。引き戸はそうされる事にひどく抵抗するような音を立てて開いた。密かに恋心を抱いている隣の女の子が、給食の一時間前ぐらい前になると鳴らす腹の音に似ていた。しかし、引き戸がほんのりと紅く染まることはなかった。

露出補正をプラス側に調整しすぎたような空間に思わず目を細める。瞼をしばたかせてオートブラケット機構を働かせると、そこには丹念に磨きこまれた床面に、白や黄色ラインのスクランブル交差点が広がっていた。
アイスコーヒーの中で氷が音を立てるような空気が漂っていたが、床用ワックスと体育マットが放つ、独特の匂いが鼻腔を一瞬で占拠した。
見上げれば、その時期に今が旬だと夕餉の食卓に並ぶ、魚の小骨に似た天井が広がり、等間隔で死んでいるはずの目がいくつも輝いている。

音が鼓膜を断続的に刺激した。ずいぶん遠いところに感じたが、瞬きひとつで音は目の前にやってきた。
綺麗な白い円に容赦なく横へ分断するラインがまたがる中央部、西に傾きかけた角の取れたやわらかい日差しが差し込んだ先だった。
その当時、ゴレンジャーごっこをすると選択の余地無く、キレンジャーだった友達が奥のほうにいて、向かいで背中を見せているのは、モモレンジャーの役回りをなぜだか進んで買って出る友達が、二人して黄色い長縄を淡々とまわしている。

二人は長縄が床を打ちつけている一点を無表情で見据えていた。鼻やら口から音にあわせるように静かに白い息を吐き出していた。当時の月刊ムーのエクトプラズムに関する特集記事を思い出した。
ふいにキレンジャーがコチラに視線を投げて、色あせた赤いとっくりセーターの位置を気にするように微かに顎を動かした。申し合わせたようにモモレンジャーも振り向いて喉奥を鳴らして頷いた。私は一歩、二歩、歩み寄ってモモレンジャーの左後方に立った。キレンジャーが目顔で合図を送って来る。
長縄で作った楕円形の空間の中では、ホコリが四拍子で優雅に舞っていた。

その空間に飛び込もうとしても、まわる縄を目で追いかけてサイドボードの上に置かれた赤い牛の置物のように、首を上下にリズミカルに動かすことしか出来ない。右足が、その一歩が中々踏み出せない。
モモレンジャーが振り向き、痛む左奥歯の虫歯に左口角を少し開けて、冷たい空気を取り込むように舌先で小さな音を鳴らした。キレンジャーの眉根の縦じわがみるみる深くなっていく。

長縄がまわるリズムに合わせて、体を前後に揺らしてタイミングを計るが、つま先がぢりぢりと音を立てるばかりだ。
キレンジャーは業を煮やし、音にあわせて「ハイッ!」「ハイッ!」と声を上げ始める。その声は広い空間にわんわんと響き渡った。あわせてモモレンジャーも首をかしげて前後に体をゆすりはじめた。

長縄が床を弾く音と、「ハイッ!」という掛け声に相槌を打つように空間はゆがみ始め、腰にまわしたベルトが、正月休み中の不摂生を容赦なく締め上げるような息苦しさを感じはじめた。あせる気持ちで掌が湿っていくばかり──。

今朝方見た夢。ずいぶん遠い昔のこと。
年末年始の挨拶もしないまま、書き始めのタイミングを右足を上げて計っていたら、すっかりヴァレンタインデーも後方に消えた。
そんな心情を察するような夢に背中を押されて、ぼちぼち書き始めることにしました。

そんなこんなでずいぶん遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。