2011-06-10

堕天使の旅路

自動車(くるま)を運転していて、すこしばかり油断していると、ケムシをうまいこと避けきれず、危うく轢きそうになること度度。

最近、頓に道路を横断するケムシが多い。完全変態に向けて、好みの草葉をたらふく食するため、餌(草)場を頻繁に移動するためなのだろう。ケムシは成虫になるため、これ即ち、くびれ(頭部・胸部・腹部)を拵えるためにウィーキングをしているということであって、二十代から三十代女性が、ウォーキングをはじめる半数以上の目的と同じことと思えなくもない。

ケムシが道路を横断する速度は、昔に比べると格段に速くなったように感じる。朝夕「はいっはいっはいっ」と拍子をとりながら、日課のウォーキングを勤しむ、近所のトクジロウさんのウォーキング速度並みであるように思えなくもない。

午刻、所用で自動車を運転していたら、ひたむきに青春を謳歌すべく、左から右に横断するケムシを見かける。その必死なケムシの様子を見ていたら、この頃、辛くあたる陽の光に熱せられたアスファルトが、この上なく熱いものだから、自然と早足になってしまう、ちょうど、暑い盛りに、海辺を目指して、不用意に太陽に熱せられた砂浜に足を踏み入れ、ポップコーンみたいに跳ねまわりながらも、爪先立ちで疾走する、そんな感じなのだろうか。ケムシの這い回る速度向上も、少なからず地球温暖化が影響しているかもしれない。けれども、そもそもムシに熱いだの冷たいだのを感じる、複雑な神経伝達回路は備わっているのだろうか。たぶん、生命を脅かすような危険を察知して、対応する感覚だけなのかもしれない。

────などと、ひとしきり考えていたら、生命に関わる事態を察知して、腹のムシがぐうと鳴った。

4 件のコメント:

  1. こんにちは。

    うちの店にもそろそろまるまる太った変身間近な奴が自動ドアから凄い勢いで入って来る頃ですねー。

    もちろん全力で阻止するんですけども。

    阻止するのは私の仕事ですね。ええ。都会の子はムシが苦手すぎです(涙

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  2. さすが、店長っす!もちろん、鷲掴みなのでしょうね。さすがです。
    しかし、彼らはどこをどうやって入り込んでくるのでしょう。疑問です。

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  3. 荒木さん、こんにちは

    ウシガエルの集団横断って、すげぇー嫌ですね。
    何年か前、マイマイガという蛾が大量発生して、夜、繁華街、
    コンビニ、街灯などの灯りという灯りが、すべて消えた真夏の
    日の悪夢でした。
    成虫が大量発生なのですから、それ以前の形態はそれ以上に
    大量発生して、ええ、まあ、そのような感じでした。

    ああ、裸足で地面を歩くことなんてなくなりましたね。
    歳をとると、足裏の皮が厚くならずに、面の皮が厚くなるばかりです。ええ

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  4. sharon様
    生態系が違うのか、ケムシの横断は、現状こちらでは観察されません。
    時々、ウシガエルの集団横断で、相当な被害が出るのを観察するくらいです。
    裸足で、地面を歩く事、なくなりましたねえ。
    青春じゃないんでしょうねえ、もうとっくに。       荒木

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