2011-04-22

今週のお題は「私の小さなこだわり」です

一昨昨日、今週末に車検満了となる車で、近所のカー用品店に向かった。

カウンターで対応したのが、偶然にも同級生だったため、あの日にこうしていたら、こうなってこうだったとか話してたら、なんだかお互いの自慢話みたいになってきたので「車検をお願いしたいのだが、どうだろうか」と何の脈略も無く切り出した。
「いま?」
「いまというわけでもないが、結構逼迫しているのだが」
「震災の影響で5月11日まで大丈夫だよ」
「おかげでここ数日の溜飲を下げることが出来たよ」と言った後、文化庁が発表した平成19年度「国語に関する世論調査」で間違った言い方「溜飲を晴らす」を使う人が26.1パーセントという結果を、ふと思い出した。
「車検をスムーズに通すためには、車検見積りが必要で、それには事前に車の状態を確認させてもらうことになるけど...」
「いいよ、してよ、いま?」
「...で、見積もりには、事前に予約が必要なんだけど...」

一昨日、車検の見積もりをする車で、あらためて近所のカー用品店に向かった。
カウンターに同級生の姿はなく、爬虫類顔したやせぎすな女性が対応してくれた。
車検の見積もりの予約票みたいな紙を差し出す。
「車検のお見積もりですね...」
「一昨昨日予約した者です」
「一時間ぐらいかかりますけど...」

奥のトイレで用を済まして、左向かいにある待合室に入る。入ってすぐの左側は漫画コミックを貼ったような壁があった。本棚をざっと見渡すと、一定方向に偏りがある漫画ばかりが並んでいた。「ビー・バップ・ハイスクール」「シャコタン・ブギ」「湾岸ミッドナイト」「湘南爆走族」「ろくでなしBLUES」、「バリバリ伝説」「頭文字D」。「クローズ」や「特攻の拓」あたりが無いところにある種の拘りと、正面にある大きなガラスの外の整備工場で、あくせくと動き回るオレンジ色のつなぎを着た従業員の過去を垣間見た気がした。

とりあえず、シエロシ羊介くんが主人公の漫画を読むことにする。
横須賀ハッスルジェット編は3巻?4巻?と記憶をたどって手を伸ばす。むぅぅぅ。1巻から並んでいるのだが、6、7巻あたりから怪しくなり、10巻以降であからさまに順不同になっている。むぅぅぅ。気づくと我慢できずに揃え直してしまっていた。

一息ついて、あらためて目当ての数巻を手にして、右手奥にある椅子に向かおうとしたら、下の方に「ろくでなしBLUES」の8巻から12巻までが目に入る。むぅぅぅ。ちょっと気になって、背丈をちょっと越えるほどの本棚をざっと見渡す。ちょうど対角線上、向かって左上あたりに1巻から7巻を発見した。むぅぅぅ。とりあえず、8巻以降ある場所に移動させようと思ったのだけれど、1巻から7巻を収納できるスペースは当然あるわけがない。むぅぅぅ。8巻以降が置いてある隣に「プレイボール(ちばあきお)」が、中途半端に歯抜けした状態で10冊ほど置いてあった。熱血不良青春漫画の隣に、熱血野球青春漫画をこのまま放置することも不憫な気がしたので、迷うことなく、フリッツ・フォン・エリックよろしくアイアンクローで移動させて、無事に「ろくでなしBLUES」も揃え直した。

ふと、しゃがみこんだ先で、縦に並ぶ本の列と本棚の仕切りの隙間で横になって、そっぽを向いている本を目にする。むぅぅぅ。迷子の本「ロンタイBABY」2巻を手にして立ち上がり、むぅぅぅと仲間を探し出して無事に送り届ける。

一歩下がってあらためて本棚全体を見てみたら、余計むぅぅぅとなってしまって、結局、見積もり完了のアナウンスを聞くまで本棚の整理をしていたことに気づいた。むぅぅぅ。

提示された見積書に「▲本棚整理費用」の記載は、当然見当たらない。

2011-04-21

決まり手は勇み足

オブシディアン(黒曜石)のような黒目が印象的で、6.23:3.77ぐらい微妙な髪の分け目がチャーミングな女性に「揺れ動いているのは、あなたを想う気持ちからなの...」と、すっかり忘れかけていた情景な夢を見ていたら、揺れ動く余震で目が覚めました。

細々と蓄えをして、色々と夢見ていたものは、まんまと細君の誕生日に姿を変えてしまいました。 結婚10年の節目だったのでオープンリーチしたわけです (正確には11年目だったのでフリテンリーチだったわけですが)。
今までも、そうしてきたようにそのようにそうしたわけで、今までどおりに見返りを求めているわけでもありません。

が、一番古株のコンデジを実母に勢いであげてしまったり、子供らの運動会が例年通りに5月中だとすると、一眼カメラのレンズはつけっぱなしが良いなぁなどと考えてると、蝸牛あたりで ほらほらコレなんかと、不成仏霊に憑依されたようにヒソヒソと聞こえてきます。
そんなことを悶々と考えてゆるゆると揺れていると、来月誕生日だったことを思い出して一気に期待は膨らみました。

が、来月の誕生日という日は、────以下、色々と自粛しておくことにします。

と、いうことで、今までどおり見返りを求めないということで、なんだか解決したわけです。

で、結局なにが言いたかったかというと、サブ機にオリンパスのXZ-1 を夏までに手にしたいということです。なにより黒ボディに惹かれます。

 OLYMPUS デジタルカメラ XZ-1 ブラック 1000万画素 1/1.63型高感度CCD 大口径F1.8 i.ZUIKO DIGITALレンズ 3.0型有機ELディスプレイ XZ-1 BLK

2011-04-20

丁字路を右へ

破傷風に十分注意 がれき撤去で感染の恐れ 医療関係者ら呼び掛け

被災地では、作業中にがれきでけがをしたり、くぎを踏み抜いたりする危険性がある。さらに衛生状態も悪く、けがをしても水が十分に使えない場合もあるため、感染の可能性は高まり、すでにボランティアに患者が出たという。

河北新報 東北ニュース(2011年04月12日火曜日)より一部抜粋
破傷風は、とても恐ろしく怖い病気であると、トラウマになるぐらいに教えられた映画があります。

日々、繰り広げられるホルモンと細菌と皮脂の、壮絶な三つ巴の戦いの傷跡が顔に広がり始めた頃、週末に届けられた新聞のテレビ欄深夜枠に、テストステロンの分泌量を促すタイトルを発見しました。枕元に靴下を用意するような気分で、なんら迷うことなくタイマー録画をセットした記憶があります。

「うぎぁぁぁぁぁーーーっ!!!」
ジャンル的にヒューマンなのだろうけど、下手なホラー映画よりも十二分に恐怖以上のものを感じました。今の精神的に苦痛を感じるホラー映画の原点とも言えるかもしれません。残念ながら、断片的な記憶しかないのですが、その大半が破傷風に感染した小さな女の子が、もがき苦しむシーンばかりです。
監督が野村芳太郎ということもあって、トラウマ克服のために観返したいと思っているのですが、残念ながら、DVD化されていないようですし、近所のレンタル店にも置いていません。ビデオデッキが生きているうちに、なんとかしたいと真剣に考えています。

中々踏ん切りがつかずに、しばらくアマゾンのほしい物リストに入れていた本ですが、西にお住まいのキャディさんがフォロー(追い風)ですと言って、ドライバーを差し出してくれたので、心置きなくフルスイングしたのですが、風に乗り切れなかったのか、あえなくラフの中へ(一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です)。素直に近所の書店に注文することにしました。
最近、活字は読みたいのですが、なんとなく物語を追う気分ではないので、エッセイ集ばかり読んでます。そのうちの一冊、翻訳家の岸本佐知子さんのエッセイ集です。
これは文句なしにおもしろかったです。読んでいて普通に声を出して笑ってしまいました。引き出しの多さと洞察力、なによりも文章力に惹かれました。最初のニつ三つ読んで早速追加でポチり。
エッセイ集でリハビリした後、「岸本の翻訳作」を読み漁ろうと思ってます。
ただ、「東日本大震災の影響で配達できないエリアです」というメールには結構凹みます。


BAWDIES!まさかのAI とのコラボ!! 
これはやばいやばいやばいいぇいいぇいいぇーぃ!

 

2011-04-19

渋みがつよいスプモーニ

震災後は、自分のキャパをはるかに超える、受け入れがたい現実に飲み込まれそうになるため、自分でエラを動かすことが出来ないマグロのように、生きるために泳ぎ続けるような日々を過ごした。

ライフラインが落ち着いた頃、気分転換にDVDをトレイに載せるも、途中で集中してストーリーを追いかけることが億劫になってしまい、プチりとレジュームレジュームレジュームと足踏み。映画を観たいのだけれど、持続しない精神状態にディレンマを感じる日々。

先日こと。余震が続くたびに、容赦せずに本棚から吐き出される映画DVDが山のようにあるにもかかわらず、リハビリには新しい環境が必要なはずだと、突然思い立ってレンタル店に向かった。

隣接しているコンビニと出入り口を共有しているレンタル店。
コンビニ側の乳歯が抜けた子供の口みたいな本棚がある、駐車場に面した大きな窓ガラスは激励の文字が書かれた貼り紙に占拠されている。
その隅に申し訳なさそうに「タバコあります」と書かれた貼り紙を見つけて、安堵感を覚えた。
私は彼女(長女)が生まれると同時にタバコをやめているので、ふるふると震える黄ばんだ指先が止まるぐらいの安堵の思いではなく、「タバコあります」を通して戻りつつある日常を実感できたから。
夏の季語として定着している「冷やし中華はじめました」という貼り紙を、その年はじめて目にしたときに似た気持ち。

ガソリンスタンドの「ガソリンあります」の貼り紙が剥がされて通常営業に戻り、ガソリンを求める長蛇の列は数日で消えた。いまだに空気を置いている棚が目立つ店もあるが、コンビニも24時間ではないけれど営業をしている。ファーストフード、レンタルビデオ店も然り。
  • 「《ハリウッド最強のアクション・スター》たちが結集したドリーム・プロジェクト!」なのだけれど、ありがちで安っぽいストーリー展開
  • せっかくのアクションシーンは、暗闇の中で目まぐるしく変わるカメラワークで正直なにがなにやらで誰が誰やら
  • 誰よりもUFC殿堂入り選手(鉄人)ランディ・クートゥア。その勇姿を眺めることが出来たので良しとする
  • ある意味、開き直ってハチャメチャな感じが期待を裏切らなかったし、「96時間」に続いてリーアム・ニーソンは最強だったのでよかった
  • フェイス(ブラッドレイ・クーパー)とソーサ(ジェシカ・ビール)はバレンタインデーにも共演してたなぁとか
  • 誰よりもランペイジ・ジャクソン。佐竹雅昭を頭蓋骨骨折に追いやったような技で決めてくれたシーンで満足した
...等など、色々と観はじめましたので、困った時のためにまとめておこうかと。


復興とは、ある日を境に止ってしまった日常が正常に動き出すことだと実感した。

2011-04-18

穴のあいたポケット

両側に大型のホームセンターやドラッグストア、酒のディスカウント店、コンビニエンスストアが建ち並ぶ片側二車線の先は、緩やかな登り路。

ちょうど天辺あたりに信号機がある。左脇の歩道に「この先一車線」「車線減少」の黄色地に朱書きの立看板が、ドミノの様に並び、花粉と乾いた泥粉を運ぶ風に平べったい音を立てながら揺れている。

行く先で一台分の前後が入れ替わるに過ぎないのに、自信満々にウインカーを下げて、意気揚々と右車線に移った軽自動車が右のドアミラーの中に入る。
信号が青に変わるか否かのタイミングで、タイヤを軋ませてスタートダッシュする。緩やかな下りの右コーナーに入る直前で、左ウインカーをあたふたと点滅させて、つんのめった感じでブレーキランプを数回点灯させて車線変更した。
乾いた土煙が視界を土色にした。

しかたなく減速した先は海に続く路。津波に力任せに奪われた復旧したての路。
道路沿いには、長い棒を忘れて綱渡りしているような、コンクリート土台むき出しのガードレールが並べてある。

コントラストを下げすぎた感じのクロムフィルタを駆使したような水面が広がった。
波打ち際から砂浜まで、力ずくで奪ったお礼の品物(残骸)が展示しているように見える。
春の陽気に誘われて訪れたわけでは無いだろう、揃いの服を着た人達で海辺は賑わいを見せていた。

実家に向かう道すがら、瓦礫の山に僅かな駐車スペースを見つけて車を寄せた。
思春期のように頑なに閉ざしたままの水門を乗り越え、防波堤沿いを歩いて海へ降りる。
リングで大の字にされて、トップロープに駆け上がる相手選手を見たときのように覚悟は決めていたが、見慣れた海の風景は一変していた。

近年、急速に綺麗過ぎるぐらいにコンクリートで敷き詰められていった船着場あたりは、泥と海の下に埋もれていた。不自然に囲んでいた堤防も姿を消していて、眺めの良い湾内に様変わりしていた。

木造の桟橋、船着場、作業小屋が、端からテトラポットとコンクリートに侵食されて行った、幼い頃の覚えている海の形に戻ったような感じだった。
雑多なものが入り混じった波打ち際もそうであるが、なにより海が近くに感じた。
四、五十センチ沈んで(地盤沈下)しまった影響からだろうか。

歩み寄りを見せる海に静かな恐怖を感じた土曜日のこと。