2009-11-30

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週末はこのざまだ


● 土曜日

○ TSUTAYAにカンフーパンダを返却に行く。

12月のWOWOWの放映スケジュールを思い浮かべながら、カテゴリー別に区分された棚の曖昧さに舌打ちして、ふたつみっつほどつまんでみる。既に幾度目かの作品が大半だ。

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+ガエルくんが足りないと感じて観たいと思ってた一本をセレクト。 


ブエノスアイレスの夜 [DVD]


○ 彼(息子 9歳)からのプレゼント。

暇さえあれば本ばかり読んでるでしょ、と貰った。
彼自身読んで、かなり怖かったと夕飯を食べさせてくれない勢いで教えてくれた。

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居間から台所への引き戸へ、ちょっとしたドッキリが仕掛けられてたり。

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●日曜日


庭で子供達と遊んでいたら、毎年なんちゃってイルミネーションを飾る木の枝振りが無性に気になりだした。気になりだしたらしょうがない、剪定作業開始だ。
枝切りバサミを手すると、なぜだかバーニングしてみたり。

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結局、暗くなって一番気になっていたてっぺん部分を残してしまった。
かえって目立つのは気のせいだ。きっと気のせいだ。

そんなこんなで今日は絶賛剪定筋肉痛。

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2009-11-27

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波際での攻防


先日、彼女(娘 6歳)の希望で TSUTAYAに行って「カンフー・パンダ」を借りた。

覚えている(私が借りてる)範囲でたぶん4回目。
さすがにDVDを買ってやろうかと考えている。

マスター・タイガーの声がアンジェリーナ・ジョリーだからという事では無い。決してそれは無い。たぶん。

ただDVDをトレイに放り込んで、すぐにキャプチャー21を選択することは勘弁だ。
未だに、なぜポーが「龍の戦士」なのか理解できていない人が、密かに後ろのほうで観てたりするからだ。WOWOWも中途半端に観てたし。
何度目かのウーシーの指固めを眺めながら、劇中に度々登場する「太極図」を目にして、ふと思い出したことがあった。
今から 7年前。2002年FIFAワールドカップ日韓共同開催に向けて盛り上がっていた頃だ。

当時、台湾企業が母体の工場へ仕事を発注していて、10日間/1ヶ月回程度のペースで中国の深セン市に飛んでいた。イスタンブールでないのが残念だ。
製造工程でトラブルが発生していないことを確認に行っていた。
トラブルが発生したから行くのとでは、気分的にクリネックススタジアム宮城とヤンキー・スタジアムぐらいの違いは余裕で発生する。

そんな旧正月明けの2月中旬に行ったときのこと。

旧正月明けは、大半の作業者が帰郷先から戻らなかったり、機器類が動かなかったりすることを懸念していたが、大きなトラブルも発生せず無事に日本へ帰る(帰れる)ことになった。
フライト前日に香港入りしたが、昼食には遅すぎるし夕食には早すぎる時間だった。結局、宿泊するホテル近くの喫茶店で軽く食べることにした。

色々な液体で汚れたテーブルで使い古された油が後味に残るだけの料理と、結局騙された感じしか残らない なんちゃって日本料理以外を食べようと、テーブルに着く前に満場一致していた。
メニューを開くと安っぽい写真で洋食と呼ばれるものが並んでいた。
サンタさんにプレゼントをお願いしたい気分で靴下を思い浮かべてたら、パスタやピッツァに目が止まった。
結局、5人でトッピングが違うピッツァを頼み、男5人でシェアして食べることにした。そう男5人で。
メニュー上段部には 2周りほど大きなピッツァの写真が載っていた。
写真下部に英語と広東語であったが、「2002年サッカーワールドカップ日韓共同開催特別メニュー」であることは感じ取ることが出来た。
LPレコードのような生地の上には、韓国国旗をあしらったと思われる太極図が描かれていた。左が赤色で右がチーズ色をしていた。
私以外は当たり障りの無いと思われるミックス、シーフードなどをオーダーした。
協調性を重んじる私は、皆の熱い期待を目顔で受け「2002年サッカーワールドカップ日韓共同開催特別メニュー」をこれ当然とオーダーした。

同行していた中国人スタッフの北京語が通じなくて、特別メニューがオーダーされていないことを密かに望んでいたが、メニュー通りの太極図が描かれたピッツァがテーブルに運ばれた。

太極図片側の赤色部分は、トマトケチャップなのだろうと思っていたことを後悔した。
トマトケチャップでは、「2002年サッカーワールドカップ日韓共同開催特別メニュー」が成り立つ訳が無い。
片側赤色部分は唐辛子の赤だった。トッピングがキムチだった。
韓国=キムチ。
直球すぎるというか、むしろ棒球だ。
レフトスタンド後方に陣取るファンの歓喜の声に消える白球を見上げている気分になった。

残り半分、非常に興味を抱いた。
日本= ? 。

赤い波際付近から、既に水分を含んだ鰹節が全体にふりかけられていて醤油の匂いが鼻腔を刺激した。
トッピングに1.5cm角の黄色いものが乗っていた。
日本=鰹節、醤油+1.5cm角の黄色いもの。
思い切って長江デルタからチベット高原へ向けて角度のキツイところを口に入れた。
「ポリっ」黄色いものは結構な歯ごたえだった。鰹節と醤油味が口腔一杯に広がった。
「ポリっ」。塩気が効いているが甘みもある。

他の者も、寝ずに練習したかのように同時に口にし、同時に眉根に皺を寄せ右に頭を傾けた。
味を噛み締めていると、ご飯と味噌汁が湯気を立てている食卓が頭の中に浮かんできた。
食卓中央に箸立て、醤油などの調味料が浮かび、その脇の小鉢に白菜の漬物と...  たくわん。
    
日本=鰹節、醤油+「たくわん」。

味がどうだったかを旨く表現することは非常に難しい。
「旨い」、「不味い」又は「微妙」だけでは表現できないものだった。
それはとても奥深いものだった。
気づくと、なぜだか喜びも悲しみも幾歳月の歌が頭の中で流れていた。
ただ、新メニューに加える判断基準について店長を呼んで聞いてみたかった。

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2009-11-26

330/365

大晦日


なんだか油断してたら、もう来週は師走だ。

毎年のことだが、師走って聞いただけで妙に焦ってしまう。
前向性健忘症でもないのに、とても重要なことを忘れているような気分になったりする。
さすがに左手の甲に「サミー・ジャンキスを忘れるな」とサインペンで書いたりはしない。たぶん。
けど、この感じは決して嫌いではない。むしろ大好きだ。
無駄に空回りしていても許せる感じがいい。空回りしてでもいいから頑張ろうって気になる。

大晦日は、Dynamite!! なる格闘技イベントを観なければ年を越した気がしない。
数年前に格闘技バブルがはじけた。
格闘技をビジネスとして成り立たせようとした結果、泡沫の彼方に消えた。
そんな想いをテレビに向かって、愚痴っているところまでは記憶があるが、メインイベントを待てず、へべれけ*1になってしまう。ここ数年、毎年のことだ。
スタンドで執拗にローキックを意識させられ、ガラ空き状態の顔面に左ハイキックを喰らってKOされるようなものだ。*2

そして年明け早々、奥さんに大人のお酒のたしなみ方について、ありがたい説法を受けるのが、我が家の年頭行事と化している。

今年こそは、酒の量に気をつけて晴れ晴れとした新年を迎えよう。
そして白地に毒々しい目をしたヘドラのような、ゲイラを青空に上げることにしよう。
いや、とりあえずゲイラを買うことからはじめよう。

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酔っぱらいが酔っているかと言う問いに対し、それを頑なに否定する場合は、肯定している事と同様の意味だ。 


*1:【意味】意識や記憶を失うほど酔ったさま。ヘベレケ。

*2:非常にわかりづらい表現であることは本人も重々承知している。

2009-11-25

329/365

カモメとウミネコの違い


高校三年生の時の担任は、英語の担当教師で仲本工事に良く似ていた。

彼の日常会話は、英語のアクセントなのか、イーデス・ハンソンよりか、ダニエル・カール寄りではあったが、彼が日本人である以上、それは違和感以上のなにものでもなかった。

意識してかどうか定かでは無いが、語尾の母音を妙に延ばしたしゃべり方をした。
素人が武田鉄矢のモノマネをするような感じで、「こりゃぁ~ だぁ~め だろぉ~がぁ~ しょ(そ)んなことしちゃ(た)らぁ~...」となどと注意する。その度、不自然に舌は丸まったり、ひしゃげたりした。
ちょっと離れたところで聞いてると、岸壁に車を止めて昼寝でもしようかというとき、突然「みゃーみゃー」と鳴くウミネコの煩わしい声にしか聞こえなかったりした。

それほど、英語(発音)に自信があった。        ...はず。

高校三年生の修学旅行は、奈良・京都方面だった。
12月で確か 2泊3日。2日目は京都泊で確か 18:30~21:00まで自由行動だった。

皆が新京極にドラえもんの如く浮き足立って出掛ける中、なぜだか私と友人は、担任の部屋で正座していた。
自由行動の時間を惜しんで、京都の文化を正座して体感していたわけではなく、みゃーみゃーとありがたいお説法を聞きながら、若気の至りを体感していただけだった。
そして皆が繰り出した30分後の19:00、私と友人、そして担任の3名は、ホテルの玄関を後に新京極に向けて歩いていた。アフター無しの同伴。厳密には友人が一緒だから、同伴とは言えないが、だからと言って別にそこに拘る必要もない。

12月の新京極は、赤、緑、白、多種多様な制服と音楽、そして雑多な会話が行き場を失って溢れかえっていた。

友人達を探しながら、とりあえず新京極の中心部まで進んで足を止めた。
足を止めるのと同時に、スチール棚の高さと横幅をあわせ持ち、作られた笑顔を顔に張り付かせているが、京都の冬を思わせる底冷えのするような目で、両胸に原型はトナカイなのであろう動物の間延びした柄の入ったカウチンセーターを着た、白色に近い髪の毛を毛糸の帽子からちょっとのぞかした外国人が、色のついたA5サイズ紙の束を大事そうに抱えて近づいてきた。
プロレスラーばりの体躯をした彼は、私と目が会ったタイミングで口を開いて白い息を吐いた。
「彼は英語教師だ。用件は彼が聞いてくれるはずだ」と、私は右手親指で肩越しに後ろに立つ担任を示した。
折角の国際交流のチャンスを担任に譲ってやった。正直、みゃーみゃー説法後に布教活動の話を聞くだけの余裕を持ち合わせていなかったからだ。ゲップがいつまで経っても止まらないであろう。
スチール棚な彼は「A Ok!」的な表情を見せ、後ろにいる担任に大きな体を向けた。
「こんばんわぅ、すみません、ちょとお時間いいですかぁ~」と、スチール棚が担任に話しかけるのを背中で聞いていた。にわかな期待に
耳を
背中をそばだてた。

「あぁっー ダメダメ、ごめんなさい。今、時間無いの。ごめんなさい」

慌てふためいている担任が手に取るようにわかったが、なぜに?英語で会話を交わさない、いや相手が日本語で話しかけたからだとしても、なぜに?みゃーみゃーまで鳴りを潜めさせている。出し惜しみする必要は無かろう?
振り向いたときには、互いに目顔で左手を上げていた。私もスチール棚と目が合ったので、思わずポケットから左手を出した。
担任は、私と友人の目線を巧みにかわすように背を向け、傍のイルミネーションを何気に見上げてしまった。同時に私は英語教師として見下げてしまった。

コチラに歩いてくる友人達 3名を発見した。
友人達が来るのを何気に見ながら待っていたが、前を歩いている集団の一人と目が合ってしまった。

瞬間的に副腎髄質でゴングの音が聞こえた。

京都新京極通り交戦規則。
  • 警告放送。

    • 相手)関西弁で「なにメンチ切ってんじゃ!われぇ!」。私のつま先から顔までを 5回/秒の速さで相手の顔は激しく上下した。その勢いで首がもげたら、勢いそのままに大気圏を突破できそうだった。

  • 示威行動。

    • 私)「ぬぁーにぃーっ!こ(お)らぁ!」。最初の「ぬぁ」を恥ずかしいぐらい声が裏返ってしまったことを後悔しながら、物理的に可能な範囲で眉根に皺を寄せて、相手のつま先から顔までを 6回/秒で相手を上回る上下運動速さで詰め寄った。

  • 警告射撃(胸倉のつかみ合い)。

    • このタイミングで友人達が止めに入る。大概、それは相手も同様。友人達が止めてくれる(はずだ)から、安心して虚勢をはれるということ。このタイミングを誤ると撃破。そして最悪の場合は開戦ということにある。
FBIだか、CIAに捕獲された宇宙人状態で、強引に相手に背を向けさせられた先に担任の姿が目に入った。
ライトパターソン空軍基地に強制的に移送されることを覚悟した。
しかし、担任は背を向けて傍のイルミネーションを未だ見上げていた。
単に騒ぎに気づいていないか、騒ぎに気づかないふりをしているかだった。そして後者であることは間違いなかった。
これ以上、関わり合いにあるのはご免だと向けられた背中が、不自然極まりない角度を示していたことで、それは理解できた。

「先生」と声をかけて右手を上げると、担任は喉を鳴らして不自然な角度で振り向き、ひとつ頷き何かを口の中で言いながら、下手な笑顔を作って踵を返して歩き出した。

先日、高校卒業して以来、約20年振りに担任に偶然会った。

目が合って会釈したら、覚えていてくれたらしく近寄って来て話しかけてくれた。
流石に警告放送・示威行動などは無かった。
近況など短い時間であったが話した。ただ話す中で最後まで私の名前を口にしなかった。
しかし名前を思い出そうという一生懸命さは、こちらが恥ずかしくなるぐらいに感じられた。
色々な意味で約20年前と変わっていなかった。
そしてみゃーみゃーは相変わらずでなんだか安心した。

担任に対しては、今はただ高校を卒業させてくれた事に本当に感謝している。

2009-11-24

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タラちゃんの足音を口で表現することは難しい


先週末の予定は、値動きが早く、軒並み総崩れしてしまった。
結局、楽しみにしてたタラちゃんの映画は観ることが出来なかった。

奥さんは、ステージ当日に風邪のピークをあわせたんじゃないかと思われるほどに絶不調な状態。
前日、首にネギを巻く以外の風邪に良いといわれる療法は全て試した。
21、22日、声はそれなりに抑えていたが、首にネギを巻かなくとも、どうにかステージをこなすことが出来てて安心。

そして毎回のことだがスタッフとか、出演する方々とか、大半が年下ってことで驚いたりする。自分の年齢をすっかり忘れてしまっているだけだ。
それは都合の良いものではなくて、単に35歳ぐらいを過ぎてどうでも良いものになってるだけだ。
別に変に年齢にこだわってる訳ではないけど。

12月ともなれば、週末はクリスマスイベントばっかりで、家のサンタさんも大忙し。

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「ジョン」は家出して現在逃亡中。

2009-11-18

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近況など


「ジョン」を飼い始めました。

ここ最近じゃ、めずらしく10、11月は仕事が忙しいふりをしてました。
今じゃ、ジョン・クレイマーさんの開頭手術が無事済んだときのような気分に浸ってます。

週末20日金曜日は、奥さんのイベントで機材搬送・設置なんかで会社を休むことにしました。
搬送・設置した後は、イベントが終わるまでの間(16:00~21:00ぐらい)自由時間を満喫できるって事になるわけで、上映時間さえあえば、映画 2本は観れるかもしれない。
20日っていうとタランティーノ最新作「イングロリアス・バスターズ」と、「2012」が封切り。
とりあえず、「イングロリアス・バスターズ」を優先に観る前提で考えてます。

それと、忙しい合間に気分転換と忘れないために書き綴った下書きを仕上げたいと思います。

なんだか、今年は雪が多い冬になりそうな予感がします。

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2009-11-16

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物持ちは良いほうだと思います


最近、月に 3、4冊は本を読んでいます。

それは、本を読むための時間の作り方を努力しているということでもあります。子供の寝かしつけ担当事務次官補として、いかにスキルフルな読み聞かせを実践できるかという事になります。
ただ、読み聞かせに気合を入れすぎて、読みかけの本に集中できなかったりすることもしばしばあります。

例えば、読み聞かせ本が、宮沢賢治の「どんぐりと山猫」だったりすると頭の中が、「どってこどってこどって」状態になってしまったりします。好きな絵本です。

どんぐりと山猫 (ミキハウスの絵本)


そして一番好きな絵本といえば「百万回生きた猫」です。

100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))



一冊読み終えると、しばし次の積読本へ手を伸ばすことが出来ません。
読んでる間、その本の世界にどっぷり浸ってしまうからだと思います。
しかし、次の本を読みたい気満々だったりするので、もどかしくてしょうがない気分になります。

そんなときのための本があります。
いわば、巨人時代の松井に対する、阪神の遠山投手のような役割をする本ということなります。
ワンポイントピッチャーならぬ、ワンポイントブックと呼んでます。(嘘

「見えないものの影」小松左京

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小学校高学年ぐらいの時に、はじめて読んで以来、好きな本でずっと実家にありました。
今年の春先ぐらいに発掘して、今では前述のような重要な役割を担ってます。
その他にも、当時の好きな本はありますが、なぜだかこの本だけに手が伸びてしまいます。

色々と書いてるのですが、最近、なんだか珍しくバタバタと忙しかったりします。下書き一覧と現状は同じで一杯々です。
今回、「です・ます調」で書いていることも、それが原因だと思われます。

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2009-11-13

317/365

焚き火


庭とかで落ち葉や枯れ枝を集めて焚き火をしたい。
毎年のことだが、この時期、気持ち的に釣り上げられた魚みたいな感じになる。
生命力の象徴

生命はしばしば火に喩えられる。また、火も生命にたとえられる。 炎が動く様、燃料を消費しつつ燃えるのが摂食しつつ活動するのに似ていること、火が消えることでそれらの動きが消えることと死の類似などによると思われる。

火 - Wikipedia

焚き火をしたいって思うことは当然なんだな、とか思ったり。

しかし昔に比べ、おいそれと「じゃ、焚き火でも」と出来る環境では無くなってしまった。
地方条例なんかで焚き火に関して制限されてたり、それ以上に夏場でもないこの時期に庭で煙なんぞあげたら、近所から即、通報ってことになりかねない。今じゃ堂々と庭で焚き火できるのは、サザエさん家ぐらいのものだ。

日常的に(自然)火を見ることが減ってきて、精神的な病が増えてる事実と関わり合いがあるんじゃないかと思ったりもする。

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焚き火しながら、あらためて色んなことを感じたいと思う今日この頃。
それとイモはもちろんのこと、マシュマロや、かぶがあれば言うことなしだけど。白ワインとね。ただし、おねしょには注意しなきゃ。

2009-11-10

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男前の声


最近では、もはや昔のように音楽を聴くような環境は、崩壊の一途を辿っている状態。
唯一の避難所は、自ずと車の中という空間となる。

そんな避難所で今一番注目しているバンド、前にも書いたが「THE BAWDIES」だ。

オフシャルサイト:THE BAWDIES
Twitter:THE BAWDIES (THE_BAWDIES)さんはTwitterを使っています

バンド名の由来は、ブルース用語の「Bawdy Blues」からの造語らしい。全ての歌詞は英語。「日本語に合うように音楽をアレンジするのはもっと先の話。必ず伝えたいメッセージが出てきてスキルが伴うようになったら、日本語でやってみたい」という事らしい。

なによりバンドとしての大きな魅力の一つは、歌い潰したして作りこんだとも言えるヴォーカルの「声」。チバユウスケ同様に「声」が楽器の一つと言える。

11月4日にニューシングルをリリース。


IT’S TOO LATE


さてさて!みなさんいよいよ明後日!11/4にシングル「ITS TOO LATE」発売します!いろいろ特典やら面白い企画もありなので要チェック!やっとみんなに届くと思うと嬉しいです。がっつり聴いて踊っちゃって欲しい!みんなよろしく! JIM
THE BAWDIES (THE_BAWDIES)さんはTwitterを使っています


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ミッシェルも、ブランキーも解散してしまった今では、最も貴重なバンドだと思う。
このまま道を外さずに裸足でいいから ずっと疾走して欲しいと願う。

そんな彼らのルーツ。


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おまけでチバユウスケ(thee Michelle Gun Elephant )


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久しぶりに絶賛夜なべ中な一冊。

川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2009-11-09

313/365

補助輪


昨日の日曜日は、引き出しの隅に もしもの場合に備え、取って置きたいほどの天気だった。

来春、小学校入学予定の彼女(長女)が、前々から自転車で小学校までの登校ルートを走ってみたいと言っていたことを思い出した。
彼女の3年先輩である、彼(長男)に相談すると ここぞとばかりに得意げな感じだったので、3人で自宅から片道約1kmほど先にある小学校に向け、自転車で走ることにした。

彼女の自転車の補助輪は、今年5月の連休明けぐらいには外してあった。

補助輪を外すことは、彼女からの提案だった。
「押さえてる?ちゃんと押さえてるよね?押さえててよ!絶対に!」、「ちゃんと押さえているよ!大丈夫だよ!大丈夫!」などと6回ぐらいのやり取りを繰り返した後、7回目ぐらいに嘘をついたその時、真っ直ぐ数10m走ることが出来た。
全くと言っていいほど手は掛からなかったが、自転車を押さえていなかった嘘を問いただす彼女に手を焼いてしまった。

長男は、小学校入学した後の夏休み期間中に3日間費やした。
厳密には、その前に数回は妥協してしまったので、それ以上の日数は費やしていた。

なんだか いい意味で裏切られた気分だった。

そんな彼女を先頭に、交通量の多い、市営体育館とショッピングセンターが隣接する国道沿いを注意して走り抜け、大きな川沿いの道を彼女、彼、私の順で小学校裏側にある緑色した陸橋を目指した。

彼女の後ろを、彼がその得意げを風になびかせ注意を促し、時折叫びながら走っている。
そんな彼女は、彼の注意を五月蝿がって必死に陸橋を目指してペダルを漕いでいた。

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子供の色々なところの補助輪が外れていることを頼もしく思った。
近い将来、私という補助輪も外れる日が来ることを考えると、雲一つ無い秋空が非常に勿体無く思えた。

年取って脳みそのシワが減った分、心にシワを増やさないよう、たまには気持にアイロン掛けでもしてみる手立てを考えてみよう。
時々、洗濯層の隅で取り出されることを忘れられてしわくちゃになってたりするから。

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2009-11-07

311/365

見つけられた小さな秋


15年ほど前のことだが、今じゃ到底、考えられないほどにしゃにむに仕事をしていた。そんなしゃにむに仕事していた10月初旬の頃だったと思う。

車で片道2時間走らせた隣町にある外注先へ行ったときの出来事。
2、3日前に製造工程を移管し、その工程能力確認と初期品質評価を行うことが主な目的だった。
期待に反して大きな問題も発生せず、仕事を終えることが出来た。午後3時過ぎ。

大げさという表現以外は考えられないような外注先の送り出しに、どうせならリングいっぱいになるぐらいの色とりどりの紙テープでも皆で投げてくれよと、その様子をバックミラーで見ながら会社に車を走らせた。

外注先を出てすぐにトイレを済ましてくることに後悔を感じ始めていた。

信号待ちで発熱に伴う悪寒によるものでは決してない断続的に押し寄せる身震いと、歯が痒くような感覚との戦いが非常に辛くなっていた。

国道沿い左側に大きなホームセンターが目に入った。
制限速度で走る前の車に毒づきながら、気持ちだけは何度もウィンカーの音と共に左折した。

ホームセンターの駐車場は、始めたばかりの将棋板の上のような状態だった。ちょうど左側に園芸コーナーと思われる隣にトイレの表示を見つけた。

今なら両手で股間を押さえながらでも、トイレまでの距離ならカール・ルイスに余裕で勝てると思いながら、なるべく前かがみにならぬよう大股でトイレに向かった。

青色した鋭利な肩幅を持つ表示のドアを開けると、小便器が4つ、大便コーナーが2つあった。一番手前にある小便器を迷うことなく選んだ。

至福のときを満喫した瞬間のことだった。トイレの外から歌声が聞こえてきた。

ホームセンターの社歌が場内に響き渡る中、それ以上の音量で歌っているかのようだった。そして歌声がトイレに響きわたってきた。

歌声のほうに目を向けると、年齢50歳ぐらい、身長165cm程度で小太り、赤黒い顔にオセロの勝負なら白のほうが断然優勢な状態で突然の暴風に見舞われてしまったような頭がそこに乗っていた。
両膝の部分が100円玉大に白く光っていて、紺色に一本オレンジの線が入った有名メーカーのそれに似たマークの入ったジャージのズボン、毛羽立ったボディが薄い鼠色で袖の部分が白のスタジアムジャンパー風のジャンパー。足元は黒の長靴だったと思う。

目と目が合ったが、場所が場所だけに私の方が先に目を逸らし下を向いた。自慢するほどでもない見慣れているモノはそこにあった。

彼が私を通り過ぎていく空気の流れと歌声を背中で感じた。嫌な視線も感じていた。

左目の端に彼がすぐ隣の小便器に入るのが見えた。
他に3つ小便器は空いている。普通の男性なら 1つ空けたところを選択するはずだ。普通の男性なら。

彼は明らかにコチラを向いている。そして歌っている。
「~澄ましたお耳にかすかに沁みたぁ~♪...」

私は終盤戦に差し掛かっていたが、必要以上に腹筋を駆使して努力した。

彼は一歩下がり前屈みになって一瞬視界から消えたが、また元の姿勢に戻った。顔はコチラに向けている。
「~呼んでる口笛ぇ~百舌の声ぇ~~♪...  小さい秋ぃ~」

色々な意味で気になってしょうがない、私は一旦顔を正面に上げ思い切って左側を向いた。

彼の顔が正面にあって、目が合った瞬間、「♪~みぃ~つけぇ~ た」。

彼は「た」の口の形をして止まった。目は微笑んでいた。

その瞬間、私も思わずつられて「た」の口を作ってしまった。厳密には「た?」だったのだろうと思う。

だるまさんが転んだ状態になってしまった。

彼は履いている全てのものを、足首のところまで下ろしていた。
小便器の仕切りの脇から、まっくろくろすけが飛び出してきそうな尻がちょっと見えた。

瞬間、ジャンプしてしまうのではないかというぐらいの勢いでズボンのチャックを上げ手も洗わずトイレから出て、鉢植えが並ぶ園芸コーナーを抜け将棋板の飛車位置に止めてあった車に向かった。

車に乗り込みドアを閉め落ち着いて今出て来た方を見たが、そこに彼の姿はなかった。

ダッシュボードに置いてあったラクダが微笑むパッケージから、タバコを一本抜き取り、口に運んだときにまだ「た?」の口ままなのに気づいた。

しばらくタバコを吸いながら園芸コーナーをぼんやり見ていたが、何も起こらなかったのでタバコの火を消して飛車を動かすことにした。

会社に向けて車を1時間ほど走らせ、ちょうど信号で止まった際に「小さい秋見つけた」をいつの間にか口ずさんでいたことに気づいた。
そんな小さな秋の到来を感じた日だった。

 
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2009-11-05

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五感で感じる楽しみ


昨日一昨日のニュース記事。
<トヨタ>F1今年限り撤退 日本勢ゼロに
トヨタ自動車は、自動車レースの世界最高峰、フォーミュラワン(F1)から今年限りで撤退する方針を固めた。4日午後、豊田章男社長が東京都内で会見して発表する。トヨタは02年にF1に参戦。当初は12年まで継続する方針を示していたが、世界不況により2期連続の赤字となる見通しで、これ以上の費用負担は難しいと判断した。

F1を巡っては、ホンダも昨年限りで撤退しており、日本の自動車メーカーが完全撤退することになる。
表示できません - Yahoo!ニュース

ルノーもF1撤退検討=パリで緊急会議-英BBC報道
報道によると、ルノーは(1)参戦継続(2)完全撤退(3)エンジン供給のみの活動継続-を選択肢に入れているとしている。会議にはF1チームのベル代表らも出席したが、討議への参加は認められなかったという。
時事ドットコム

赤いのぼりが目印的に車好きについて色々と書き綴っているが、「F1」ってことになるとほとんど観戦しない。

たぶん、女性の好みは?と聞かれ、アンジェリーナ・ジョリー ...いや、、ジェシカ・アルバ...じゃなくて、あっ吉瀬美智子...、北川景子かなぁ? ...と出来るだけ現実的でなるべく身近な存在として考えるのとそれはちょっと似ていて、市販車の原型をとどめてる車の方が現実的だと考えるからだ(DTMとかWRCなど)。

経済的な面が撤退の一番の理由とのことだが、今後、参戦中の企業にとって経営環境以外に、地球規模での環境問題に対し配慮をしなければならないという難題も待ち構えている。

将来的にフォーミュラカーも環境に配慮したハイブリット車、電気自動車などに移行していくのだろうか。F-1 グランプリじゃなく、E-1 グランプリとか。


以前、取引先商社の営業担当と昼食を共にしていたときのこと。
事前に彼が F-1の熱烈なファンであると耳にしていたので、私は「F-1のどんなところが好きなの」と口にするとほぼ同時に、彼は持っていたノート型PCを素早く開いた。
後に昼休みという 1時間の重要性について再認識し後悔した瞬間だったと言える。
開いたノート型PCのモニターを細かな水滴で汚しながら、様々な画像を見せて説明してくれた。
突然クシャミでもしたのかと、思わずびっくりしてしまった有名ドライバーに関すること、鼻につきっぱなしの日本GPに行ったときの話などだったが、私は熱弁をふるう彼の口角の両端に発生した球状の泡が、髪をセットする際の目安として記載している大きさにいつ達するのか、一番興味を惹かれていた。
彼は、マシンの発するエグゾーストノートについて更に熱く語り、開いたノート型PCでマシン別のエグゾーストノートを聞かせてくれた。わざわざ聞かせてくれた。
五感(ごかん)とは、動物やヒトが外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、古来からの分類による5種類、すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をさす。この伝統的な分類を前提として、人間の感覚全体を指すために「五感」という表現が用いられる場合もある(「五感を鋭くする」など)。
五感 - Wikipedia
先述のようにフォーミュラマシンが、環境に配慮したマシンに様変わりしていった場合、特有のエグゾーストノート、ガソリンの匂い、焼けたオイルの匂いなど無いに等しいものになってしまうのだろう。

短絡的な話で申し訳ないが、物理的な音が(ほとんど)しない静かなレース場ということになる可能性もある。
唯一の音は、タイヤのスキール音や、クラッシュした時って事になるけど、そんなレース場ってなんだか嫌だな。

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2009-11-04

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三余を楽しむ本とのお付き合い

読書をするのに好都合な三つの余暇。
一年のうちでは冬、一日のうちでは夜、時のうちでは雨降りをいう。
中国三国時代、魏ぎの董遇とうぐうが勉学する時間がないと嘆く弟子を諭した語。
読書三余の意味 - 四字熟語辞典 - goo辞書

先月は、読書週間(10月27日~11月9日)という対象「月」であったり、子供達はインフルエンザ感染などの影響で案外平和な「夜」だったり、「雨」は大して多くなかったが、雨さんのブログ(はてなダイアリー)で興味を惹く本の紹介があったりと、読書に好都合な環境だった。
季節柄、昼休みに出掛けて写真を撮る対象が限られてしまうってこともあり、その時間に読書したってこともある。

そんな三余を楽しませてくれた本たち。

再々読ぐらい。ブックマートで見かけ思わず衝動買い。台風の中、車で出張した際に読了した一冊。
(今読んでる、伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」で演説の達人である響野の「幻の女」探しの話にちょっと感動した)

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))


初の桐野夏生作品。ハードボイルドというジャンルを女性が書いているか前から気になってた。出張中に一気に読了した一冊。

顔に降りかかる雨 (講談社文庫)


前々からかじり読みしてた。バーグ・シリーズの2作目。


9月に伊坂幸太郎(グラスホッパー)作品デビューしたこと、読んでるジャンル(ハードボイルド)が偏ってしまってたことなどの理由。

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)


伊坂幸太郎作品でワンクッション置いたので、「ガリ」っとしたハードボイルドに返り咲く意味を含め、再度新たに購入。

「キラー・イン・ザ・レイン」(短編集)の一作目を読んでて、チャンドラーが足りないって思い立ち、たぶん再々々ぐらいで新たに購入し読了。


【 総 括 】今後はジャンル的に偏ることなくバランスよく摂取することを推奨します。


雨さんのブログで紹介のあった本を探しに行ったら置いてなくて、早川って書いてる本棚の前で青竹踏みは健康にいいが、地団駄踏みは不健康なことだと気づき、思わず手持ち無沙汰を感じてしまって積読本追加。

川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)



ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)

上下巻の上巻だけを 2冊買うところなんか、なんだか男気を感じるところだ。


そんな積読本が崩れ潰されることより、有無を言わさずにブックマートに追いやられる危険性のほうが怖いので、これからは本を買うより本棚を買うことを優先する。

2009-11-03

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摂取アルコールと麻酔効果


10年ほど前までは車が好きで主に外国車ばかり乗り継いだ。

自動車免許を取得してから、約10年間は年毎に車を替えている計算が成り立つかもしれないほど。

実際にはそれ以上かもしれないし、それは当時少なからず関係を持っていた女性の数のほうが上回っていたかもしれない。

そんな 20歳の頃に「SAAB(サーブ)」という、スウェーデン出身の彼女とお付き合いすることになった。

高校時代にアルバイトしていた洋服店の店長が、突然自身が乗っていたSAABを格安で譲ってくれた。
名義変更を待たずに店を畳んで行方をくらましたことから、結果的にその訳を知ることになった。

SAAB (サーブ) は、スウェーデンの航空機メーカーである。社名は Svenska Aeroplan AB(スウェーデン航空機会社)に由来する。
かつては自動車も製造していたが、自動車部門は現在はゼネラルモーターズの100%子会社のサーブ・オートモービルとなっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/SAAB
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手にした時点で3年落ちだった。
当時の写真は残念ながら無いが、上段のホイールを履いていて、中段の形をしていて、下段の色をしていた。更にマイナーチェンジしていたモデルで、申し訳なさそうな控えめなフロントスポイラーとリアウィングが付いていた。(めんどくさい(笑))

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排気ガスを利用する過給器がひとつ奢られていて、エンジンがその域に達すると彼女はソプラノ音域を奏でながら、運転手の頭を後方に車体を前方に、馳浩のジャイアントスイングの勢いで放り出だしてくれた。

エンジンスターターは、フロアATギアボックス後方のコソールボックスにあって、ウィンドー開閉スイッチやドアロックスイッチも集約していて気に入っていた箇所(現行もだと思うけど)。

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それとエンジンフードの開き方も独自で、運転席側から前方へ開くのだが、一旦前方へ50cm程スライドさせてから、バコッてな感じで開く方式だった。始めてそれを見る人は、とりあえず「おぉっ」っと感嘆の声をあげてしまう程に無駄で大げさな開き方だった。

前にメルセデスの500SLを知人から借り出した時、わざわざ信号待ちで電動でオープンさせてみるような感じで、ガソリンスタンドで給油中に、さもエンジンルームを点検する振りして無駄で大げさに開いてスネ男な気分を味わっていた。

恥ずかしい過去の出来事について、定期的に棚卸している訳では無いので正式な数は把握していないが、これは確実にその一つであると断言できる事柄だ。

そんな蜜月な日々を過ごしていた彼女と突然に別離した。
私の一方的なわがままな事情で、彼女をえらく傷つけてしまったことが原因だ。それは物理的なもので、取り返しのつかないこと。

その日は、初冬だと言うのに夏の強い日差しのような不自然な白い光が、眩しくて目を覚ました。
そこには女性看護師さんが二人して顔を覗き込んでいる。その顔は共に逆さまだった。
額を人工的に冷たいものが忙しく右往左往していた。
「結構な量が入ってる場合は麻酔しても効果がないから覚悟してください」と言い放って、むんずと額と顎を手で押さえた。
次の瞬間、額一部分の皮下を少なくとも熱い激痛が5往復はした。

それは20数年前の11月3日の出来事。毎年必ず思い出すことの一つ。
今も街でSABB車とすれ違うたびに心の中で密かに詫びてたりしている。

 
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