2012-05-01

鼎談な日々

その週末の日曜、少し遠出をしてみようと、細君が家族を誘った。

思い立ったら吉日な、細君からの突然の提案だった。
細君の話を聞けば、飼い主や震災の身勝手な振る舞いによって、生活する場所を失った動物たちの里親募集イベントが行われるとの事であった。そう云う事情であれば、ハードディスクの小腹を空かせるために、録り溜めた映画を消化させるぐらいしか思いつく用事がなかったので、同意して出かけることにした。一番期待して喜んでいたのは女性陣で、男性陣は結構冷めていたりした。血液型の違いであろうか。

昨年末、御年二十二歳だった老猫が大往生してから、既に四か月ほど経っているのだけれど、未だ色々と想うところがあったりで、正直複雑な心持ちになった。

然うして当日。
自動車(くるま)を走らせてから、すっかりキャリーを忘れたことに気付いた。けれどもイベントの状況が色々とわからないので、これ必要になった場合は、現地で調達する事にした。

現地についてみたら、沈着冷静に品定めする女性陣に対して、暴落気味なテンションの男性陣。これも血液型の違いだろうかと思った次第。
細君と彼と彼女が並んだゲージを覗き込んでは、私に色々と問うてくるので、これ父として最終決断を下そうとすれば、寸前に里親が決まってしまう。その様な状況下、目にした三歳になるキジトラ猫のお嬢さんに運命を感じて、これ即決。

これまで飼われたことなどなく、自然環境で成長してきたらしいのだが、食べるものに困っていたところを保護されたとのこと。取り急ぎ、里親申請なる書類に記載して、ゲージを購入のために自動車を走らせることにした。
他の里親希望者を心配がる彼女に状況説明をしていると、並んだ隣のゲージは母猫だと聞く。今日までずっと一緒に生活(すご)していたとの事。

近場のホームセンターでゲージを購入して、戻る道々、車中緊急家族会議を行った結果、一人(匹)も二人(匹)も世話するには、大して変わりはないと、結論に達して母娘ともに譲り受けることにした。さて問題はゲージをどうするか。

現地に戻って事情を話したところ、快く了承を得ることが出来、ゲージも貸して頂く事となった。

一件落着一安心したならば、腹がぐーと鳴って昼食を食べていない事を知らせた。
皆で新しい家族の名前を考えながら、食事をする場所を探し歩いているだけで、なんだか腹は満たされた感じになった。

ウメ(母)56歳
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ハナ(長女)28歳
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カリカリの袋を開ける音に、ニャーと鳴いて駆け寄ってくる、それまでの日常な朝が戻った。

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