2010-03-18

helter skelter

16日は彼女の卒園式だった。

前夜、「スキ」ランキングで 8位だったことで不貞寝してしまい、卒園式当日の朝、彼女とちょっと気まずい雰囲気だったことは言うまでも無いことだし、これ非常に大人げが無いと反省しきりに彼女と関係修復を図った。

彼女が物心ついた頃から感じたことだが、女性は生まれたときからすでに女性であり、それは物理的なものに限ったことではないということだ。

関係修復に成功して卒園式が始まる45分ぐらい前に登園。

お世話になった先生方に、昔は家々の茶の間のサイドボードの奥に一羽は飼っていた水飲み鳥のように、袴姿やダブルのスーツに反応して頭を下げて挨拶しながらホールへ向かった。

式が始まるまでは、各部屋で待機することになってたので、彼女の用具入れの前で隣の細君に彼女は?と聞くと、ちょっと意味ありげな笑みを浮かべながら、遠慮がちに自身の身体で指し示した。

示された先に目をやると、定期的に義祖母に5袋買いを頼まれる黒あめみたいな瞳を持つ男の子が瞬きひとつせずに私を凝視している。

その男の子の左手の先には、これ当然の如くに彼女の右手がしかと握り締められていた。

彼が彼女に結婚を迫っている噂の「なつやくん」なんだと、その挑戦的な眼力で容易に判断できた。( 参考:343/365 - 今日は死ぬにはいい日だ

彼女が私に気づき、この 6年間で 1度も見せたことの無い笑顔で、そのつないだ手をそっと解いた。

瞬間、ハッ!とする「なつやくん」。

彼女をチラと見た後、すぐに私の方を向きなおし、出来立てと思われる 2個所の隙間がある歯を見せて笑った。

保護者席の最前列に陣取って式を迎えた。
こみ上げるたびに、アザラシが呼吸するときのように鼻穴をパカパカさせて、涙腺の緩みをなんとか阻止することに成功した。

式終了後の謝恩会では、細君はピアノ弾きBGM担当。
皆が母親と向かい合って座っているのに、自分だけ父親と向かい合ってることに落ち着かない様子の彼女と、小さなイスに落ち着かないその父親。

謝恩会も無事に終了し、お世話になった先生方や父兄の方々、彼女のお友達と最後の挨拶やら、写真を撮って帰り支度。

「なつやくん」に最後の挨拶。

お母さんの春から隣の市へ引っ越すことになった挨拶を聞いて、「なつやくん」の涙腺バルブは一気に開放。
わが子の卒園証書授与のときと同じぐらいに、鼻穴をパカパカして涙腺開放を阻止しながら、とりあえず、隣の市にある大型ショッピングセンターの開店と同時におちあう約束をした。とりあえず。そう、とりあえず。

色々な意味でひとつ大人になった卒園式の日だった。
それには当然私も含まれる。

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