2010-02-06

とりたててどうってことない週末(こと)

子供らを連れて実家に向かった。細君は仕事な日。
耳がちくちくと痛い、優勝パレードに迷い込んでしまったような紙ふぶきが時折舞う天気模様。

彼が最近宮沢賢治を読み始めるようになった。今読んでいるのは「風の又三郎」。そう言えばと、昔の私の部屋へ向かい「注文の多いレストラン」があったはずだと本棚を漁る。それは遠い昔の記憶のこと。

確かこのあたりと手を伸ばせば、小泉今日子や北原佐和子の写真集とか、藤原喜明の「スーパー・テクニック―最強の関節技全公開」とか、あらぬ方向へ我を誘う。いざ、 なう。

寄り道しながらも本棚を漁っていたら、河出書房新社の「現代の文学」ハードカバーの大層立派な壁にぶちあたった。

高校時分に学校をサボって友達の家で観ていた、巨人対近鉄の日本シリーズでの中畑の劇的ホームランに目に涙を浮かべ、祝杯をあげることした時のこと。気づけばひとつ上の先輩も参加していた。

いい感じでいい気分になった頃、なぜだか体力測定の「垂直とび」の話になった。
話の発端は、ひとつ上の先輩が体力測定のときに「垂直とび」で80cm飛んだという話からだったと思う。たしか。

それからそんなはずは絶対にないだとか、それぐらいはオレだって余裕で飛べるだとか、で、結局友達の家の前の電信柱で深夜の「垂直とび」対決が執り行われた。
結果、私が1位になってしまった。
その1位判定は、とても曖昧で微妙なもので、声を荒げた大きさだったことはいうまでもないことだ。

友達が1位の賞品だと言って差し出したダンボール箱の中身が、その「現代の文学」一式だった。出所は今を持って確かではない。
深夜、チャリンコのかごに乗せてハンドルを取られて何度か転倒しながら帰ったことは、今でも色々な意味で痛い思い出だ。

残念ながら、宮沢賢治は見つからなかったが、遠藤周作集と松本清張集を見つけ出し小脇に抱えて帰ってきた。
そんな、ちょっとだけ大人になった気分に浸った日。

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彼女に先ほど交換しにつき合わされました。FELIXくんガム。

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