2011-05-31

街は今日も雨さ

すっかり沈滞した重苦しい空を眺めていると、知らず知らずのうちに口ずさんでいる唄があります。
SION というアーティストの「街は今日も雨さ」という曲です。
SIONの曲は、歳を重ねて忘れかけている部分(あたり)を気圧変化に伴う鈍痛みたいに刺激してくれます。



街は 今日も 雨さ
びしょ濡れの 心の向こうに
標識が かすんでみえる
街は 今日も雨さ

十六の夜 家を出た
おふくろは 行くなと泣いた
知らない街で ポリバケツをかぶって
それでも笑っていたさ
怖いものなんて何も知らなかったから

とりあえずは 食うことさ
新聞の広告で 仕事を拾った
朝から晩まで 指紋がすりきれるほど
皿を洗いつづけて たったの三千二百円

つぶれかけた スナックの裏にある
かび臭い部屋 俺のねぐら
なにが都会の 気ままな暮らしだ
それどこじゃねぇ まったくそれどこじゃねぇ

日曜日の 昼間ともなれば
気が狂うほどの 忙しさで
俺は飯を 食うひまもなく
立ったまま 残飯をつついた

そんな くり返しの 毎日が
やたら俺を 弱気にさせた
立ってるだけで やっと この街で
いったい なにがつかめるんだい

久しぶりに おふくろに 電話をかける
雨降る街の 赤茶けた公衆電話から
おふくろは 静かな声で たったひと言
生きてなさい そう言った

街は 今日も 雨さ
びしょ濡れの 心の向こうに
標識が かすんでみえる
街は 今日も雨さ

今日が 昨日の くりかえしでも
明日が 今日の くりかえしでも


福山雅治がパーソナリティを勤める「魂のラジオ」というラジオ番組で歌ったカバー。

2 件のコメント:

  1. sharon様
    雨は時に人恋しくさせるものですねえ。

    僕も友達の家に遊びに行くとき、ふと口ずさんでいる歌があります
    中島みゆきの歌なんですけど、「お前の家」って歌です。

    雨も上がったことだし
    お前の家でも、ふっと訪ねてみたくなった。って始まるのです。

    雨もあがったことだし おまえの家でも
    ふっと訪ねてみたくなった
    けれどおまえの家は なんだかどこかが
    しばらく見ない間に変わったみたい

    前にはとてもおまえが 聞かなかった音楽が
    投げつけるみたいに鳴り続けていたし
    何よりドアをあけるおまえが なんだかと言いかけて
    おまえもねと言われそうで黙りこんだ

    昔飼っていた猫は 黒猫じゃなかったね
    髪型もそんなじゃなかったね
    それはそれなりに多分 似合ってるんだろうけど
    なんだか前のほうがと言いかけて止めた

    言いだせないことを 聞きだせもせずに
    二人とも黙ってお湯の沸く青い火をみている
    何を飲むかとぽつり おまえはたずねる
    喫茶店に来てる気はないさ

    ねえ 昔よく聴いたあいつの新しいレコードがと
    わざと明るくきりだしたとき おまえの涙を見る
    『ギターはやめたんだ 食っていけないもんな』と
    それきり火を見ている


    部屋の隅には 黒い皮靴がひとつ
    くたびれてお先にと休んでる
    お湯のやかんが わめきたてるのを
    ああと気がついておまえは笑ったような顔になる

    なにげなく タンスにたてかけたギターを
    あたしはふとみつめて思わず思わず目をそむける
    あの頃のおまえのギターは いつでも
    こんなに磨いてはなかったよね

    あんまり ゆっくりもしてはいられないんだ
    今度また来るからと おまえの目を見ずに言うと
    『そうか いつでも来てくれよ』と
    そのときおまえは昔の顔だった


    コートの衿を立てて あたしは仕事場へ向かう
    指先も衿もとも冷たい
    今夜は どんなにメイジャーの歌を弾いても
    しめっぽい音をギターは出すだろう
    ギターを止めたというお前に声も掛けられず
    今日のステージではギターは悲しい音を出すだろ って終わります。


    おっと、こんなに書いちゃイカンだろ。 失礼      荒木

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  2. 荒木さん

    中島みゆきの「お前の家」好い歌ですね。
    心に沁みこみました。
    今日にもレンタル店に向かうことにします=3
    ありがとうございます。

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