2009-10-26

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名は体を表す


物心ついた頃から実家では犬または猫を飼っていた。
別離のときに非常に辛い思いを、その都度後悔するわりにこの環境は最近まで変わってなかった。

ペットを飼う際に一番最初に考えるのは「名前」だと思うが、家の場合歴代「ジョン」と呼ばれる犬が 4匹は存在した。これはあくまでも聞いてる範囲であるため、「犬」=「ジョン」的な家なので過去に「ジョン」と呼ばれた犬が何匹存在したかは定かではない。そして「ジョン」と呼ばれる犬の雌雄は皆無だった。
前に「ジョン」以外の名を付けた犬がいた。「犬」=「ジョン」的な家にとって言わば特殊な例だと言える。
実家では昔、ワカメや昆布の養殖業を営んでいて収穫時期になると夜が明ける前から海に出ていた。
ある日、収穫物(ワカメや昆布)を入れる籠に小さな黒い生き物が入っていたのに気づき、暗がりであったために小熊だと思ったらしい。
とりあえず家に連れ帰って良く見たらそれは子犬だった。
結局、家で飼うことになったのだが、父親がエサをやる際に「クマ」と呼んだため、それから「クマ」と呼ぶようになった。
更に母親が「クマ」と呼びづらかったためか、いつの間にやら「クマコ」と呼ぶようになった。幸い♀だったから、ある意味、事なきを得たってことだ。
前述の母親による、言わば「ぶっこ抜きジャーマンスープレックス・ホールド」的な改名は未だいい方だと言える。

私が小学生の頃に 4代目を襲名した「ジョン」がいた。
ふと気づくといつの間にか、尻尾の長い、綺麗なトラネコが「ジョン」のご飯を「ジョン」といっしょに食べているようになっていた。
そして夕餉の食卓における厳正なる家族会議の結果、このトラネコ(♂)を飼うことが決定された。
いつまでも、「ジョン」といっしょのご飯って訳にもいかないので、家に招き入れ、専用のご飯を用意していたときだった。
性別を理解している上で、母親がご飯を与える際に「ジョンコ」と呼んだ。
まさに戦慄の瞬間だったと記憶している。
訳を聞けば、犬が「ジョン」だから「ジョンコ」でいいじゃない、という。正当な理由かもしれない。
「ジョンコ」と呼ばれる猫に対して、「不憫に思う」という意味を小学年で体感した時だった。

私が高校生ともなると、イタリア人でも、当然カトリックでもあるわけでは無いが、ペットに対するゴットファーザーになることが出来た。
その最初に洗礼を受けたのが、いつのまにか迷い込んできた三毛猫(♀)だった。
当時付き合っていた彼女の影響でいくえみ綾の作品を好んで読んでいた頃。その作品中で飼っている猫が「ミカ」という名前だったんで、安易に「ミカ」と決めた。しかし、母親は頑なに「ミカコ」と呼んでいた。
「ミカ」は、とてもベッピンさんでモテモテだった。若いときは年3回とか子孫を残した。苦労して里親探しをしたものだった。
あるとき、里親が見つからないで一匹残ってしまったときがある。
それは爪を体内に隠せるようになる頃までだった。
仮称「チョチョリーナ」と何の気なしに呼んでいた。
暫くして、家の裏のおばあさん(当時70歳ぐらい)が里親になってくれることになった。
時々、「ミカ」と様子を見に行くと「チョチョ」って呼んでで恥ずかしい思いをしたものだった。

夏頃、実家に行った時に偶然、このおばあさんと会って立ち話してたら一匹の猫が寄ってきた。
おばあさんトコで飼っている猫で、なんでも「チョチョリーナ」の孫らしい。
なんだか嬉しくてなって、勝手に「チョチョシミリ」って名前をつけて嫌だっていうほどに撫で上げてやった。

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嫁ぎ先(?)である奥さんのところにも猫がいる。
シャムネコと黒猫のミックスらしい。名前を「シャム」という。
純粋なシャムネコと比べるとたしかに黒いところが多い。そして♂であるが手術済みである。
今年で20歳、人間の年齢換算だと105歳ってことになるらしい。ご老体ではあるが元気だ。
ただ、この時期には必ず鎮座していたテレビの上にも上がることはなくなった。厳密には上がる事が出来なくなった。
しかし、此間の晩、私の右足用スリッパのかかと部分上に、水(汁)気たっぷりに光る片足の無い、とても大きなカマドウマがいた。ピクりともしない。
「シャム」が横たわるほうを見ると顔だけを上げ、一つ鳴き声を発して口の周りを丹念に舐め、左手で顔をこすって見せた。
息子が生まれ、愛情が息子にいったしまったことに対して感情を私のスリッパに表現した。毛玉まじりのソレだったり、酷いときはウ○チだったりした。
私のスリッパは彼の感情表現の場なのだ。
そして未だ現役であることを、カマドウマをもって主張してくれたらしい。そうカマドウマで。

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そのときは覚悟はしているが、たぶん上手には受身を取ることは出来ないと思うな。
化け猫になってもいいから生き続けて欲しいなんて思ったり。

2 件のコメント:

  1. そんな、愛情物語を語るなんてひどいなぁ、
    猫欲しいよう…
     
    それにしても、数ある「~コ」の中でも、「ジョンコ」は凡人にはないセンスですね。お母様、卓越していらっしゃる。
    それと、「チョチョシミリ」の由来がわかって良かったです。
    ハイクでpostされた時、かなりナゾのネーミングだと思っていたのでした。
    スリッパへのラブレターもステキな話だし…
     
    猫欲しいです。どうしてくれるんですか、ますます猫ほしいじゃないですか(泣

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  2. 店長が昨日猫を飼いたいってつぶやいてたので下書きの中に半端な記事が残ってるのを思い出して仕上げました。ごめんなさい。

    色々やってて下書き保存しないままで消してしまったり、あいかわらず誤字脱字やらがいつも以上に多かったりで読みにくい文章になっていたと思います。ごめんなさい。

    日常に猫がいることはいいことです :))

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