2009-12-24

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ホンダくん-(2)

(ホンダくん- (1) )


体力を蕩尽しつくし、若さという惰性で転がせる気力をもって、夢想だにしなかった仕事量の深淵から辛うじて首だけを覗かせ、うまい具合に泳ぐことが出来ずに溺れかかっていた頃。

唯一の現実逃避の手段は、太陽がつむじを照らし、長い針と短い針が重なってからの一時間だった。

車の限られた空間の中でリクライニングを倒し、未だ丘陵など出来ていない腹の上にアラームをセットした携帯電話を乗せ、素直にわがままな瞼の言うことを聞くことにした。
瞼を閉じることでスイッチが入ったように腹のうえに置いた携帯電話が激しく振動した。
咄嗟にディスプレイを確認すると見慣れない電話番号が表示されている。
意識の半分がわがままな瞼の言うことを聞いている状態だったので心の中で留守番電話に切り替わる時間をカウントダウンした。
数秒後、受話口から「ピッー」という音が聞こえた。目を閉じたまま受話口を耳に当てていた。

「○○工業にミウラです お世話になります 先日ご提示頂きました条件で再度勉強をさせて頂いた見積書を提出致しましたがその後ご検討頂いておりますでしょうか それで急遽申しわけありまs... ピッー」

さすが勉強熱心なミウラくんだった。
前回の反省を生かして出来るだけ早口で留守番電話に意思を残そうとした。

瞼を閉じたまま「...おしい」と思わず声に出した後、勉強熱心なミウラくんの意思が伝わらないことを伝える意思が私にまったく無いまま、意識を一気にリオジャネイロあたりまで飛ばしていた。

▶ 「ホンダくん」 第三種間違電話遭遇(勉強熱心なミウラくん再び)

 ...To Be Continued ...Maybe :=)


今日はクリスマスイヴですね。
メリークリスマス! 良い一日を!

 
D

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