2010-01-09

土曜日にアラームは鳴ることがない

世間的に今日から三連休のようだ。

私の勤め先は正月休暇の調整のため今日は通常の稼動日だ。携帯電話のアラーム設定は土日を外している。そして一時間寝坊したのはこれ当然のこと。

昨日、細君の手術が無事に終了した。
手術は約一時間半ほどだったが、面会者専用ロビーで
iPod touchのお陰で暇を持て余すことなく過ごすことが出来た。さすがに充電が必要になったが。
この時ばかりは神様を信じて祈りを捧げていた。

細君が、麻酔から完全に覚めない状態で集中治療室に運ばれた後、渡辺いっけいによく似た医師は、ジップロックのような食品保存用袋に入った摘出された部位を、時折ノック式ボールペンで示しながら手術の説明をした。

説明後、手術説明書の署名欄にサインを求められ、続柄欄に「夫でいいんですよね」と確認したところ、「夫じゃないんですか」と看護師に確認され、「夫です」と答え、「じゃ、夫でお願いします」ということで、「夫」とサインした後、「失」と書いていないことを一応確認した。

麻酔が完全に切れていない状態の細君に、富士山上空をグルグルとすごい勢いで旋回している夢を見ていたことを、幾度となく教えられ、集中治療室を後にした。

面会者専用ロビーを通って、「9」のところに緑色のランプの付いているエレベーターを呼びよせた。
面会者専用ロビーには、お腹の大きな女性が、携帯電話を片手に窓辺に面したイスに腰を下ろしていた。お腹の大きさと同じような声量で話しているので、話を聞く気が無くとも話は聞こえてきた。
「どう、かわいいと思わない?」。
パーツのひとつが足りない顔をした 20代前半と思われる女性は話していた。
「そそそそ、「笑う」という字に鼻緒の「緒」で「笑緒(わお)」って、かわいいでしょ。絶対かわいいと思うんだけど、どうよ」。

目の前でエレベーターの扉が開いた。中には誰も乗っていなかった。
エレベーターに乗り込み、「1」と表示されたボタンを「わおっ」と思わずつぶやいて押した。

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